シンガポール不動産開発大手シティ・デベロップメンツ・リミテッド(CDL)の子会社シティ・デベロップメンツ・リミテッド・プロパティーズ(CDLP)は4月6日、シンガポール市場初のグリーンボンドを発行した。発行額は1億シンガポールドル(約78億円)。償還期間は3年。利率は1.98%。主幹事はシンガポール銀行大手のDBS銀行。セカンドオピニオンはオランダのサステナリティクス(Sustainalytics)。グリーンボンド適格基準では、気候債券イニシアチブ(CBI)のグリーンボンド基準(CBS)を採用し、KPMGが第三者保証を行った。CDLPは2001年に総額7億シンガポールドルの担保付ミディアム・ターム・ノート・プログラムを設定しており、今回のグリーンボンド発行はその一環。発行されたグリーンボンドは、主に金融機関と運用会社が購入した。
CDLPは、グリーンボンド発行により調達した資金を、保有する高層ビルRepublic Plazaの借入金返済に充てる。借入元はCDL。Republic Plazaは1996年に完成したシンガポール中心部にある同国有数の高層ビル。CDLPはRepublic Plaza完成当時から環境に配慮しており、チラー植物の導入やモーションセンサーと連動したエネルギー効率の高い照明システムの導入等に定期的に投資してきた。2012年にはシンガポール建築建設庁(Building and Construction Authority)から、最高レベルのGreen Mark Platinum認定を受けている。Republic Plazaは現在、年間で電力消費量600kWh、水消費量10,255m3(オリンピック用プール4つ分に相当)を削減。金額換算で120万シンガポールドルのコスト削減に繋がっている。
シンガポール金融管理局(MAS)は目下、グリーンボンド発行を推進。さらにシンガポール政府は、同国の高層ビルの少なくとも80%を2030年までに「グリーン化」する計画を掲げている。
【参照ページ】CDL ISSUES THE FIRST GREEN BOND BY A SINGAPORE COMPANY
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