ESGリスクに関する情報提供大手のRepRiskは3月29日、2016年度版「世界で最も物議を醸したプロジェクト(Most Controversial Projects)報告書」を発表した。RepRiskは、同様の報告書として「世界で最も物議を醸した企業(Most Controversial Companies)報告書」も毎年発行しているが、今回発行のものは「プロジェクト」についてまとめたもので、今年が4回目。
【参考】RepRisk「世界で最も物議を醸した企業2016年」発表。賄賂やマネーロンダリング関与が多数(2017年2月9日)
同報告書は、上場・非上場含む世界の主要企業84,000社とプロジェクト21,000件の情報を網羅した同社の「ESGリスクプラットフォーム」に基づいて、リスク値を計測している。このプラットフォームには、メディア、オンラインメディア、ソーシャルメディア、第三者団体等から発行された報告書、ステークホルダー、NGO、政府機関、規制機関、シンクタンク、ニュースレター等の公開情報を15言語で毎日収集している。
リスクはゼロ(リスクが最も低い)から100(リスクが最も高い)で得点付けされ、特に75から100の値はリスクが非常に高い。
ランキング | プロジェクト名 | リスク値 | 国 | 業界 |
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1 | 豊城発電所フェーズ3 | 88 | 中国 | 電力 |
2 | 紅坳廃棄場 | 76 | 中国 | サポートサービス |
3 | Dakota Access Pipeline | 72 | 米国 | 石油ガス |
4 | Aliso Canyon Natural Gas Storage Facility | 68 | 米国 | 石油ガス |
5 | Sports Direct Shirebrook Warehouse | 66 | 英国 | 小売 |
6 | Petroquimica Mexicana de Vinilo Plant | 63 | メキシコ | 石油ガス |
7 | Agua Zarca Hydroelectric Project | 62 | ホンジュラス | 電力 |
8 | Tongi Packaging Plant | 60 | バングラデシュ | 消費財 |
9 | Angra dos Reis Nuclear Complex | 59 | ブラジル | 電力 |
9 | 金山溝炭鉱 | 59 | 中国 | 採掘 |
今回リストアップされたプロジェクト10件については、建設現場での大規模死亡事故や、廃棄物の杜撰な管理による巨大な土砂崩れ、製造現場での従業員人権侵害などが取り沙汰されている。1位の豊城発電所フェーズ3では、発電所建設中の高層足場が崩れ74人が死亡。2位の紅坳廃棄場では、積み上げた土砂が崩れ工業団地を飲み込み91人が行方不明。日本でも話題となった米国のダコタ・アクセス・パイプラインも3位に入った。
【報告書】Most Controversial Projects of 2016
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