米スターバックスは3月17日、日本市場で初の円建てサステナビリティ社債を850億円発行した。発行したのは、表面利率0.372%のシニア債。償還期間は2024年3月15日。格付はムーディーズ「A2」、S&P「A」。主幹事はモルガン・スタンレー・インターナショナルと三菱UFJ証券子会社のMUFGセキュリティーズEMEA。セカンドオピニオンはESG評価会社のSustainalystics。
社債発行で得られる資金使途は、同社の「Eligible Sustainability Projects」で推進している持続可能なコーヒーのサプライチェーン構築。このプロジェクトでは、同社の「C.A.F.E.プラクティス(Coffee and Farmer Equityプラクティス)」に認定された農家からのコーヒー豆調達の拡大、世界各地のコーヒー農家支援、Starbucks Global Farmer Fundを通じた農家への資金提供などを実施する。
同社がサステナビリティボンドを発行するのは2016年5月の米国市場に次いで日本が2か国目となる。米国発行時には市場の反応が良く、5億ドル(約540億円)を調達。その成功を受けて、今回初の外国市場でのサステナビリティボンド発行に踏み切った。同社にとって日本市場は北米外で初めて進出した市場であり、現在は全47都道府県に1,200店舗を展開している。
【参考】スターバックス、540億円のサステナビリティ債発行。サプライチェーン強化(2016年6月8日)
同社は、過去15年間に渡り、国際環境NGOコンサーベーション・インターナショナル(CI)と協働して作成した「C.A.F.E.プラクティス」に基づき、持続可能なコーヒー豆調達を実現するために様々な取り組みを行ってきた。例えば、コーヒー農家コミュニティに対し、気候変動リスクの軽減や、長期的にサステナブルな農業・農地の実現などの支援を提供している。また、今日まで中南米においてサビ病への体制の強いコーヒーの木を2,200万本植林している。さらに世界9か国(ルワンダ、タンザニア、コロンビア、中国、コスタリカ、インドネシア、グアテマラ、エチオピア、メキシコ)に農家支援センターを構え、5,000万ドルを農家に融資している。また2013年にはコスタリカのコーヒー農園を購入し、グローバルのR&D拠点として活用している。その結果、2015年には1年間で調達した5億5,100万ポンドのコーヒー豆のうち、99%が倫理的調達と認められた。同社は、コーヒー業界の持続可能な調達を進めるイニシアチブ「Sustainable Coffee Challenge」の創設メンバーにもなっている。
スターバックスは、調達資金を適格基準を満たすプロジェクトに割振るプロセスを完了するまで資金割振り状況を毎年ホームページ上で公表する。またプロジェクトの進捗についてのレポートも毎年公表する。
【参照ページ】Sustainability bond issuance follows company’s first U.S. Corporate Sustainability Bond in 2016 as part of its ongoing commitment to sustainably sourced coffee
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