一般社団法人日本有機資源協会は2月28日、食品産業の持続可能な発展に向け、「エネルギー・二酸化炭素削減」「廃棄量削減・再生利用」「教育・普及」等の観点から高い実績を挙げている食品関連事業者と支援団体・企業を表彰する「食品産業もったいない大賞」の受賞企業を発表した。同賞の発表は今年が4回目。農林水産省が協賛、環境省と消費者庁が後援している。
最優秀賞である「農林水産大臣賞」は、松本大学と長野県中信地区6次産業推進協議会のプロジェクトが受賞した。このプロジェクトでは、そばの廃棄製粉残渣や廃棄されたわさびの葉から「わさび葉ペースト」と呼ばれる商品を開発し、市場の流通させることに成功した。
次点の「農林水産省食料産業局長賞」は、熊本県立熊本農業高等学校、福井県、食品ロス削減連合会、日本マクドナルドと、コカ・コーライーストジャパン株式会社と一般財団法人蔵王酪農センター、宮城県蔵王町の3者合同プロジェクトの全5団体が受賞した。
熊本農業高等学校は、廃棄されていた「規格外海苔」を養鶏資料として活用し、栄養価の向上や鳥の免疫力向上を実現。「海苔ノリたまご♥黄身に夢中♥」という商品を開発した。福井県は、「おいしいふくい食べきり運動」と「全国おいしい食べきり運動ネットワーク協議会」による食品ロス削減に取り組んだ。また、食品ロス削減連合会は、日本気象協会の気象予測を高度化し、人工知能(AI)を利用して気象予測を活用した高精度な需要予測システムを開発。各商品の需要予測を行い、連合会内の各社に共通の需要予測情報を配信することで、発注量過剰の問題を改善した。
日本マクドナルドは、「作り置き方式」から注文ごとに製造する「オーダーメイド方式」に変更。商品廃棄量は導入前のほぼ半減となった。この「オーダーメイド方式」は「メイド・フォー・ユー」と命名され、2005年から直営、フランチャイズの全店で運用されている。コカ・コーライーストジャパン株式会社と一般財団法人蔵王酪農センター、宮城県蔵王町の3者合同プロジェクトは、廃棄されていた「茶殻」と「チーズホエイ」を飼料として活用。肥育された肉牛「蔵王爽清牛」の商品開発を実現した。
優良賞である「食品産業もったいない大賞審査委員会委員長賞」は、味の素ゼネラルフーヅ、味の素冷凍食品九州工場、伊藤園、国分グループ本社、生活協同組合連合会コープ東北サンネット事業連合、ヤマキの6社が受賞した。
【参照ページ】第4回「食品産業もったいない大賞」受賞者結果および、表彰式・事例発表会 開催のお知らせ
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