たばこ大手フィリップモリスの日本法人フィリップモリスジャパンは3月2日、新たな企業ビジョン「煙のない社会を、ここ日本で」を発表し、紙巻たばこから撤退することを表明した。今後は、同社の新たな主力商品である「加熱式たばこ」IQOSに注力する。同社は日本のたばこ業界でのシェアが25.3%と高く、業界第2位。主力紙巻たばこブランド「マールボロ」は非常に有名。
同社は紙巻たばこから撤退する理由として、「紙巻たばこを喫煙し続けた場合に比べ、IQOSに完全に切替えた場合、たばこ本来の味わいを残しつつも、健康へのリスクを低減する可能性がこれまでの研究によって科学的に明らかになっています」とし、紙巻たばこには健康リスクがあることを強調した。同社は、さらに社会全体で紙巻たばこからリスクの低い「煙の出ない製品」への移行を推し進めるため、関連団体と共に規制枠組みの変更にも取り組んでいくとしている。日本ではそれほどでもないが、欧米ではたばこの健康被害に対する関心が高く、たばこを忌避する動きが非常に強まっている。
一方、主力商品のIQOSでは、新バージョンを投入するとともに、IQOS用たばこのラインナップも拡充する。新バージョン「IQOS 2.4 Plus」では、新たな温度コントロール技術の搭載されるとともに、充電時間も短縮できる。ラインナップ拡充では、新しいフレーバー2銘柄の販売を開始する。さらに銀座に新旗艦店を3月3日にオープンした。
IQOSは、2014年11月に名古屋でテスト販売を開始して以来、爆発的なヒットを続けている。2016年4月には全国販売を開始。2016年12月までにIQOSの販売台数は300万台を超え、IQOSに完全に移行したユーザーは約100万人を達成した。IQOS用たばこの「マールボロ・ヒートスティック」のシェアは全国で7.6%、東京で約9.5%を記録している。
【参照ページ】フィリップ モリス ジャパン、企業ビジョン「煙のない社会を、ここ日本で」を発表
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