トヨタ自動車は2月24日、トヨタブランドで販売する燃料電池(FC)バスを1台、初めて東京都交通局へ納車したと発表した。今回納車したFCバス「トヨタFCバス」は、同社の燃料電池自動車「MIRAI」向けに開発したシステム「トヨタフューエルセルシステム」を採用。3月にもさらに1台納車し、東京都交通局は東京都営バスとして運行する。
トヨタFCバスは、高圧水素タンクを10本搭載。水素エネルギーで動く燃料電池バスは、内燃機関に比べエネルギー効率が高いことに加え、走行時に二酸化炭素や環境負荷物質も排出せず、環境性能が高い。搭載されている燃料電池は、最高出力7.2kWかつ大容量235kWhの電力供給能力を備えており、東京都は、災害などの停電時に、学校体育館等の避難所や家電の電源として活用することも念頭に置いている。また、高齢者や児童の乗り降りに配慮した「ノンステップ基準」も満たした設計になっている。
トヨタFCバスは、経済産業省の「次世代エネルギー・社会システム実証事業」、環境省の「CO2排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業」が開発と走行実証での助成金を支給し、導入では国土交通省の「地域交通グリーン化事業」にも採択されている。トヨタ自動車は、今回FCバス導入を、一般社会の燃料電池自動車への理解度促進につなげていきたい考え。トヨタ自動車は、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、東京都を中心に100台以上の燃料電池バス導入を予定している。
海外では、公共バス運行で、ガソリンやディーゼルよりも環境負荷の低い天然ガスを燃料する取組が増えている。日本では一足飛びに燃料電池バスへと進むことができれば、新たな環境技術として世界からの注目を集められるとともに、トヨタ自動車にとっても世界的な公共バス市場の開拓という未来が見えてくる。
【参照ページ】トヨタ自動車、トヨタブランドの燃料電池バスを東京都へ販売
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