化粧品世界大手ロレアルは2月22日、インドでの雲母(マイカ)採掘に児童労働が関与している問題の解決を目指す「責任ある雲母イニシアチブ(Responsible Mica Initiative)」の創設メンバーとして参加したと発表した。同イニシアチブは、2016年2月にインド・デリーで開催された雲母採掘会議をきっかけに発足。官民からの資金提供を受け、インドの雲母採掘産業の健全化に向け5年間の活動を行う。
雲母は、塗料、電材、化粧品、切削油など産業用途で幅広く利用されている物質。世界の主な産地は、中国、ロシア、フィンランド、米国、韓国、カナダなどだが、インドも上位10位内に入っている。中でも、マイカをシート状に伸ばし電子部品等の材料となっているマイカシートの生産ではインドは世界トップクラスに位置している。一方、インドのマイカ生産では、多数が手を使った違法採掘で、多くの自動が採掘作業に従事している。
ロレアルは、同イニシアチブの設立母体となった天然資源スチュワードシップ·サークル(NRSC)にも参加しており、早くから雲母採掘産業の持続可能性向上に向けて取り組んできた。同社は天然雲母の60%をアメリカから調達し、残りをインドなどの諸外国及び合成雲母によって賄っているが、2016年末までには調達マイカの97%を健全な採掘事業者から調達できており、最終的には100%を目指している。ロレアルは、児童労働現場からの撤退ではなく、現場への働きかけを通じて事態を改善する道を選んできた。そのため、改善が行われた数社の供給者からのみ調達を行い、定期的な監督と問題解決のためのコミュニティ開発を行ってきた。
責任ある雲母イニシアチブに現在参画しているのは、全部で21社・団体。ロレアル、エスティローダー、コティ、クラランス、シャネル、レブロン、ロシェ、H&M、独Schwan Cosmetics、韓国CQV、中国・坤彩(Kuncai)、中国・欧克加工(Oxen)、インドSudarshan、仏terre de hommes、フィリップス、独メルク、アクゾノーベル、米PPG、米アクサルタ、米Sun Chemical、ノーベル平和賞受賞者インドのカイラシュ・サティーアーティ氏、天然資源スチュワードシップ·サークルが参画している。
【参照ページ】L’ORÉAL FOUNDING MEMBER OF THE RESPONSIBLE MICA INITIATIVE
【参照ページ】SUSTAINABLE MICA SOURCING
【機関サイト】Responsible Mica Initiative
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