国連責任投資原則(PRI)は2月23日、インフラ・アセットクラスでのESG投資のあり方を検討するための新たなチームを発足させた。先進国や新興国、発展途上国では、社会整備や環境保護のためにインフラ資金重要が急増しているが、十分な投融資がなされていない。PRIは今回インフラ分野でのESG投資ガイダンスを作成し、この分野への資金供給を促していきたい考えだ。
とりわけ必要性が叫ばれているのが、低炭素経済に向けたエネルギーや交通インフラの分野。パリ協定での合意に基づき各国は温室効果ガス排出削減目標を掲げているものの、実際に排出量の多いインフラ分野を改善しなければ絵に描いた餅に終わってしまう。新興国でも、経済発展と環境保護を両立させるためのグリーンインフラが今後の社会整備には不可欠だ。
PRIが従来扱ってきた株式や債券投資は上場企業を対象とするものが中心だが、インフラ分野は非上場企業やアセットの株式や債券がメインとなる。そのため、今回のチームでは、インフラファンド運用会社やインフラ投資を行っているアセットオーナーから委員として9ヶ国17名が選ばれた。GPIFを含め、日本からの委員選出はない。
インフラ検討委員
- Adrian Best, Victoria Funds Management Corporation(オーストラリア)
- Vikram Bhaskar, GCM Grosvenor(米国)
- Millie Chow, British Columbia Investment Management Corporation(カナダ)
- Zaman Velji, British Columbia Investment Management Corporation(カナダ)
- Isabelle Combarel, SWEN Capital Partners(フランス)
- Martin Ewald, Allianz Global Investors(ドイツ)
- Kristian Fok, CBUS Superannuation Fund(オーストラリア)
- Adam Heltzer, Partners Group(スイス)
- René Kassis, La Banque Postale Asset Management(フランス)
- Veronique Leroy, Aviva Investors(英国)
- Andrew Major, HESTA Super Fund(オーストラリア)
- Vhahangwele Manavhela, Public Investment Corporation(南アフリカ)
- Leisel Moorhead, QIC(オーストラリア)
- Chris Newton, IFM Investors(オーストラリア)
- Katarina Romberg, AMF Pension(スウェーデン)
- David Scaysbrook, Quinbrook(オーストラリア)
- Carl Tishler, Beshertine(英国)
- Mark Wayment, InfraRed Capital Partners(英国)
今後このチームは、インフラ分野のESG投資手法ガイダンスを作成していく。検討対象は、アセットオーナーが直接投資するものだけでなく、ファンドを通じて投資するものも含まれる。また投資プロセスでは、投資意思決定からエグジットまでの広範囲を対象とする。
【参照ページ】PRI launches new infrastructure workstream
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