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【国際】GRI、今後のサステナビリティ報告展望で企業グループ活動報告書を発表

 サステナビリティ報告に関する国際ガイドラインのGRIとアカウンタビリティに関する国際基準発行の英国NGO、SustainAbilityは2月2日、未来のサステナビリティ報告の展望を示した報告書「Future Trends in Sustainability Reporting」を発表した。同報告書は、GRIのプログラム「企業リーダーシップ・グループ(CLG)」の活動の一つ「2025年の報告についての企業リーダーシップ・プログラム」が2016年までの2年間の活動内容報告書にもなっている。報告書の中では、今後サステナビリティ報告にとって重要となるテーマについて、国連持続可能な発展目標(SDGs)のうち、気候変動、人権、富の不平等、データ・テクノロジーの4つを挙げた。

 GRIの「2025年の報告についての企業リーダーシップ・プログラム」に参加したのは、ペプシコ(米国)、モザイク(米国)、欧州投資銀行(EU)、ガメサ(スペイン)、テレフォニカ(スペイン)、フェレロ(イタリア)、テレコム・イタリア(イタリア)、セメックス(メキシコ)、JSWスチール(インド)、インドガス公社(インド)、CLPホールディングス(香港)、ITAIPU BINACIONAL(ブラジル・パラグアイ)、Nutresa(コロンビア)の13社。

 同報告書は、重要テーマとされた気候変動、人権、富の不平等、データ・テクノロジーの4つの分野について、今後の展望を紹介。気候変動については、企業が気候変動に取り組むべきかは自明で、問題は手法とスピードだという見解ではっきりとした一致が得られたと紹介。気候変動は他の社会課題にも悪影響を与える分野であり、企業はソリューションプロバイダーとして、野心的で科学的根拠に基づく二酸化炭素排出量削減目標を立てるべきだとした。とりわけ重要な関係者である国が設定する各国の削減目標(INDCs)に自社の活動をリンクさせるべきだとした。今後の報告優先事項としては、2020年以降を見据えた長期目標、気候変動が自社経営に与える脆弱性、同業界他社やサプライチェーンの先進事例やリスクの把握、現在と今後の事業運営手法の改善などが挙げられている。

 人権においては、投資家や格付会社、規制当局が人権をますます重視してきており、ビジネス上の人権デューデリジェンスが必須となってきていることを確認。特に従業員の労働人権には大きな焦点が当たっているとした。人権状況の改善に向けては、他社をベンチマークすることやランキングを意識することを推奨した。今後の優先事項としては、国連ビジネスと人権に関する指導原則の採択、労働人権改善に向けての人事部との連携、サプライチェーンへの関与、人権インパクト評価の実施などが挙げられた。

 富の不平等では、労働者や小規模事業者の富の相対的減少、ジェンダー差別、租税回避行動、政府の底辺への競争(Race to the bottom)政策が、課題を原因だと指摘。データ・テクノロジーでは、利用可能なデータの数が大きく増加していることを挙げ、データの利活用やオンライン報告など新たな可能性がある一方、自社データのプライバシー保護や機密保護、他社購入データの漏洩防止など新たな課題も生まれていることを取り上げた。

 「2025年の報告についての企業リーダーシップ・プログラム」の活動は昨年で2年間の活動を終了。GRIの今年のCLG活動は、昨年に続き「統合報告」と今年から開始した「国連持続可能な開発目標(SDGs)報告のための企業アクショングループ(Corporate Action Group for Reporting on the SDGs)」の2分野で参加企業でのディスカッションを行う。

【参照ページ】Future Trends in Sustainability Reporting
【報告書】Future Trends in Sustainability Reporting

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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