金融指数開発世界大手のMSCIは2月8日、年金基金など運用資産額の大きいユニバーサルオーナー向けのESG投資インデックス「MSCI ESG Universal Index」ファミリーを開発、発表した。今回のインデックスは、銘柄除外ではなく、ウェイト重視でポートフォリオを組むのが特徴。
MSCIはすでに700本以上のESGインデックスを提供しており、2016年には合計で560億米ドル(約6.4兆円)以上の資金が同社のESGインデックスを活用した運用がされている。しかし、その中でも同社の主力である「MSCI Global Sustainability Index」や「MSCI Global Socially Responsible Index」は、ESGスコアに優れた銘柄を少数選定して集中的にポートフォリオを組むスタイルを採用しており、運用資産が巨額なため幅広い銘柄への分散投資が不可欠な年金基金等のユニバーサールオーナーには必ずしても適していなかった。そのため、ユニバーサルオーナー向けの新たなインデックスを開発した。
【参考】【金融】SRI/ESG投資インデックス一覧 〜MSCI, DJSI, FTSE4Good, モーニングスターの違い〜(2014年10月13日)
「MSCI ESG Universal Index」ファミリーは、まず除外銘柄を最小限に抑える。除外されるのは、人権侵害、労働者保護、環境破壊等で物議を醸し国際基準を満たさない企業行動を起こした銘柄と、地雷、クラスター爆弾、劣化ウラン弾、生物・化学兵器等、問題性のある武器を製造・販売する銘柄のみ。その後、それ以外の銘柄のうちESGスコアの高い銘柄を、ユニバースとなる対象インデックスの構成比率に対してオーバーウェイト(基準より構成比率を高くする)」させる。
「MSCI ESG Universal Index」ファミリーは、対象ユニバース毎に5つ設定される。
- MSCI ACWI ESG Universal Index(先進国23ヶ国及び新興国21ヶ国の合計44ヶ国)
- MSCI World ESG Universal Index(先進国23ヶ国)
- MSCI Europe ESG Universal Index(欧州地域)
- MSCI EM ESG Universal Index(新興国)
- MSCI USA ESG Universal Index(米国)
MSCIは同時に、既存のESG投資インデックスの名称変更にも着手する。2017年6月以降、「MSCI ACWI ESG Index」は「MSCI ACWI ESG Leaders」に、「MSCI ACWI Socially Responsible」は「MSCI ACWI SRI」に名前が変更される。
今回MSCIがユニバーサルオーナー向けのESG投資インデックスを開発したことで、資本市場で影響力の大きい年金基金等が今後MSCIのインデックスの活用を開始すると見られる。企業IR関係者は、MSCIにも目を配る必要が出てくる。
【参考ページ】MSCI Launches ESG Universal Equity Indexes for Long-Term Global Investors
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