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【インド】企業のCSR活動予算が大きく増加。背景に2013年CSR法令義務化と大企業の対応加速

 インドで企業のCSR活動予算が増加している。インド格付会社Crisil社の集計によると、2016年決算期の企業のCSR活動予算は前年比22%、金額にして約250億インドルピー(約410億円)増加し、約830億インドルピー(約1,370億円)に達した。インドの主要経済紙Times of Indiaが報じた。

 インドでは、2013年に改正された「会社法」により、企業は過去3年の平均純利益の2%相当の資金をCSR活動に費やすことが義務化されている。2016年決算期はその取組の2年目。ボンベイ証券取引所の上場企業4,887社のうち、30%の1,505社が法令基準を満たすCSR活動を実施、昨年の1,300社から大きく増えた。また1,505社のうち、77%の1,158社はCSR報告書も発行しており、前年度の1,024社と比べ報告分野でも大きく社数が増えた。

 また、純利益に対するCSR活動予算の割合も、会社法が定める2%にはまだ達しないものの、昨年の1.35%から1.64%に上昇。とりわけ、CSR活動を実施している企業に対象を絞ると、すでに2%基準を達成している。全体として2%に達するためには、さらに183.5億インドルピー(約300億円)の活動予算が必要。CSRの活動内容は、政府が優先事項と掲げる教育、スキル開発、医療、衛生分野などが多く、580億インドルピー(約870億円)が費やされた。

 一方で、133社はCSR活動に予算を一切割いていながい、その数も昨年の200社からは大きく減った。全体でも約3分の2はCSR活動予算を増やしているものの、3分の1は減少。法令義務の2%を上回っている企業割合も昨年の50%から56%に伸長した。

 その他の傾向としては、CSR活動の成果が重視されるようになったこと、中小企業だけでなく大企業の取組が増えたことが挙がる。大企業の取組が増えた理由としては、1年目にあたる2015年度は大企業内の諸手続き等で迅速な活動ができていなかったことや、主にNGO等の社外実行部隊の協力を仰いだことが背景にある。

 世界的にはCSVという形式の活動が重要性を増しているが、インド政府は2013年の会社法をもとにいわゆる「社会貢献活動」としてのCSRを推進している。そのため、社会貢献活動以外の事業にとってのサステナビリティ活動を含めると、金額はもっと大きくなりそうだ。

【参考】India Inc’s CSR spending rises 22% in FY16

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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