サステナビリティ分野の国際アドボカシーNGOのCeresは1月26日、責任あるパーム油分野のための報告ガイダンスを発表した。パーム油の生産にについては、生産現場での違法伐採や森林火災への関与、労働者の人権侵害など数多くの問題が指摘されている。今回作成された報告ガイダンスは、パーム油の生産者、加工者、貿易会社、食品・消費財メーカー、小売事業者までのサプライチェーン全般に渡り、各業界の企業が情報開示やステークホルダーとのコミュニケーションをとるべき内容をまとめた。
今回の報告ガイダンスは、セリーズの他、国際環境NGOであるCDP、Conservation International、Rainforest Action Network、Rainforest Alliance、世界自然保護基金(WWF)米国、オックスファムなど20団体が作成に携わった。
ガイダンスの内容は、既存のガイドラインや認証基準をまとめ上げたもので、新しいガイドラインを目指しているわけではない。そのため、関連企業は、報告ガイダンスを参照しつつ、これまでと同様、サステナビリティレポートやホームページ、他の報告機関への報告を実施していけばよい。また、報告ガイダンスでは、各業界毎に10を超える推奨報告事項が記されているが、一度に全てを達成する必要はなく、ガイダンス内容を時間を書けて徐々に整備していけばよいとセリーズは話している。
企業以外でも、企業とNGO、企業と投資家の間での対話やデューデリジェンスにおいても、今回の報告ガイダンスは活用できる内容となっている。パームオイル認証機関のRSPOは不完全だとの指摘を過去に受けていることもあり、企業には自ら透明性やコミュニケーションの改善を試みていくことが求められている。改善にあたって今回の報告ガイダンスを現状のチェックツールとして参照してみるとよいだろう。
【参照ページ】Reporting Guidance for Responsible Palm
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