銀行世界大手ドイツ銀行グループは1月31日、同行グループの内部規定である「Environmental and Social Policy Framework」を改訂し、未開発鉱区での新規石炭採掘と石炭火力発電の双方に対する投融資を停止するダイベストメントを2016年12月から開始したことを公表した。同行は背景について、2015年に国際合意に至った「パリ協定」を歓迎し、パリ協定が定める「2℃目標」を達成するためだとしている。この内部規定は、ドイツのドイツ銀行本社だけでなく、同行の世界中の全グループ会社に適用される。
改訂されたガイドラインでは、まず石炭火力発電について、依然として世界の各地域で主力の発電用燃料となっているとしつつも、二酸化炭素排出量が天然ガスや石油より多いと指摘。今後新たな石炭火力発電所への投融資及び既存の石炭火力発電所の拡張への投融資を一切禁止すると定めた。炭素回収・貯蔵(CCS)技術を装備する石炭火力発電所について個別に審査し判断するとした。
続いて石炭採掘への投融資についても、石炭資源は気候変動分野から大きな非難を受けていると指摘。パリ協定目標を達成するため、未開発鉱区の新規石炭(一般炭)採掘への投融資を世界中で禁止する。さらに、石炭(一般炭)採掘分野への既存の投融資を今後3年間をかけて減少させていく。
この数年の間に、欧米の主要銀行からは石炭産業からのダイベストメントをするところが出てきているが、ドイツ銀行はこれまで、「世界的なエネルギー需要の増加を扠せい可能エネルギーで代替することは依然非現実的」「世界の一部の地域では石炭は避けられない」とし、石炭産業への投融資を原則として継続する意思を明確に示していたが、今回ついにダイベストメントに踏み切った。
【参照ページ】Amended guidelines for coal financing
【ポリシー】Environmental and Social Policy Framework
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