気象庁は12月21日、2016年の年平均気温が日本、世界ともに最も高くなる見込みだという速報値結果を発表した。2016年は世界で1891年の統計開始以来、日本でも1898年の統計開始以来、最も高い値となる見込み。
世界の平均気温上昇は過去最高だった2015年のプラス0.42℃を2016年は上回り、プラス0.46℃となる。世界の年平均気温は、長期的に100年あたり0.72℃のペースで上昇しており、特に1990年代半ば以降、1981年から2010年の30年平均値より高くなる年が多くなってきている。地域別では、北大西洋や北太平洋の一部地域等で1981年から2010年の30年平均値より低くなったが、ユーラシア大陸、北米大陸、太平洋熱帯域、インド洋など、広い範囲で、過去平均より顕著に高くなった。また、月別では1月から4月及び6月から7月、季節別では冬(前年12月から2月)、春(3月から5月)及び夏(6月から8月)に過去平均に比べ統計開始以来最も高い気温となった。
一方、日本の平均気温は過去最高は1990年が最高だったが、今回それを更新。日本の年平均気温は、長期的には100年あたり1.19℃の割合で上昇しており、特に1990年代以降、過去平均を上回る年が多くなっている。
近年の年平均気温の上昇の原因として、二酸化炭素などの温室効果ガスの増加に伴う地球温暖化の影響が考えられている。また、世界と日本の平均気温は、数年から数十年程度の時間規模で繰り返される自然変動の影響も受けて変動しているため、今年の世界と日本の年平均気温が高くなった要因の一つとして、2014年夏から2016年春まで続いたエルニーニョ現象の影響を受けているとも言われている。
気象庁が公開した資料は1月から11月までの観測データをもとに、速報値としてまとめたもので、確定値は、日本については2017年1月初め、世界については2017年2月初めにホームページ上で発表される予定。また、年別・季節別・月別の世界及び日本の平均気温は気象庁ホームページにて随時更新・掲載される。
【参照ページ】世界と日本の年平均気温がこれまでの再呼応地を更新 ~2016年(平成28年)の世界と日本の年平均気温(速報)~
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