エグゼクティブサーチ世界大手コーン・フェリーは11月17日、世界のグローバル大手企業CEOなど経営トップ800人を対象にした将来の人的資源の価値に関するインタビュー調査結果を発表した。今年の調査では、今後重要性が高くなる経営資源に関して、人材よりもテクノロジーや固定資産のほうが重要だと答えた経営トップが多く、話題となっている。
今年の調査では、63%の経営トップが5年以内に技術が企業の競争力を左右する最も重要な経営資源となるだろうと回答。また、人材よりもテクノロジーが将来優れた価値を生み出すだろうと答えた経営トップは67%に上った。さらに44%の経営トップは、ロボット化やオートメーション、AIが普及し、人材は重要ではなくなると語った。
インタビューでは、他の切り口として、5年後に最も重要な経営資源という質問をしたところ、上位から技術、R&D・イノベーション、商品・サービス、ブランド、不動産と語り、人材は入らなかった。また経営トップに必要な素質としては、テクノロジーを通じた組織変革への理解が1位、次いでテクノロジー理解、イノベーション能力、技術能力、財務能力・理解、セールス経験、顧客理解、人と文化能力・理解の順で、やはり人材に関する要素へのウエイトは小さかった。
インタビューに参加した経営トップたちは、テクノロジーの重要性がどんどん増しており、40%から60%の時間はテクノロジーに関する思考や実践に費やされていると回答した。インタビューからは、このようなCEOのマインドには、テクノロジーへの投資を迫る株主からの圧力があるということも見えてきた。
人材に対する価値認識が下がっている背景には、AIやオートメーションが進展すると人材が不要になっていくという考えがあると言える。しかし、調査を行ったコーン・フェリーは、世界の経営トップが人材価値を低く見積もることに対して警鐘を鳴らしており、テクノロジーが重要視される時代だからこそ、人材とテクノロジーを結びつけて価値を創出していくという視点が不可欠であるとしている。また、経営トップは組織文化は容易に変革できるものではないと自信を失っていることについて、組織文化は変化可能であり、企業価値を上げるための起爆剤となりうると提唱した。
【調査レポート】The trillion-dollar difference
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