米国でビジネスを展開する企業、投資家、NGOなど365社は11月16日、米国政府に対し、気候変動枠組条約パリ協定の遵守と推進を求める公開書簡「Business Backs Low-Carbon USA」を送付した。公開書簡の宛先は、トランプ次期大統領、オバマ現大統領、米国連邦議会議員およびCOP22マラケシュ会議に集まった世界のリーダーたち。公開書簡の送付に加わっている米国企業(一部外国企業も含む)には、デュポン、HP、インテル、シュナイダー・エレクトロニック、ヒルトン、リーバイ・ストラウス、ナイキ、ギャップ、パタゴニア、バートン、スターバックス、ケロッグ、モンデリーズ、マーズ、ゼネラル・ミルズ、モンサント、ダノン、米国ロレアル、ユニリーバ、ティファニー、ヴァージン・グループ、eBay、セールスフォース、ハートフォード生命、ニューヨーク州退職年金基金、Calvert Investmentsなどがある。
公開書簡では、気候変動対策への歴史的取り組みであるパリ協定の支援継続と、世界レベルで今後数兆ドルの経済効果が見込まれる低炭素経済の推進を求めるほか、「低炭素経済の構築が失敗すれば、米国の繁栄はリスクにさらされるだろう」と警告している。さらに、トランプ次期大統領と次期政権幹部には特記事項として3項目を要請した。
- 米国の国別温室効果ガス削減目標の達成またはそれ以上の削減と将来の高い目標の設定
- 金融機関の意思決定に確実性を与え世界中の投資家の自信を加速させるため、国内外での国内外の低炭素経済への投資の実施
- 世界の2℃目標のための長期的方向性を維持するため、パリ協定への参加の継続
トランプ次期大統領がパリ協定からの離脱をちらつかせる中、米国企業や機関投資家からも危機感が募っている。トランプ氏は気候変動対策や環境対策は根拠がないでっちあげだという考えを選挙期間中に見せたが、世界の現場により近い状況を見ている企業からは、気候変動対策や環境対策を今進めなければ社会が大きなリスクを背負うという警告が出てきている。穀物メジャーのゼネラル・ミルズ、食品大手ユニリーバやダノンも共同書簡に加わっていることが、世界の現実を物語っている。
【参考】トランプ次期大統領就任後、米国の環境・気候変動政策はどうなるのか(2016年11月10日)
【参照ページ】Dear President-elect Trump, President Obama, Members of the US Congress, and Global Leaders at COP22 in Marrakech
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