欧州のアパレル協会や環境NGOが主導するプロジェクト「欧州衣類アクションプラン(European Clothing Action Plan; ECAP)」は11月10日、プロジェクトの第1号参画企業を発表した。ECAPは2015年9月から2019年3月までの3年間半のプロジェクトで、大量に発生している衣類廃棄物の削減に取り組んでいる。プロジェクトには欧州のシンクタンク13社で構成される団体EU LIFEが360万ユーロ(約4.2億円)を拠出しており、服飾デザイン、製造、調達、消費などサプライチェーン全体の改善を呼びかけている。プロジェクトにはEU内に本社を置くアパレルブランドや小売事業者が参加でき、今回その第1号企業5社が発表された。
参画に至った5社は、Bobo Choses(スペイン)、OVS(イタリア)、Peak Performance(スウェーデン)、Primark(アイルランド)、Star Sock(オランダ)。これらの5ブランドはECAPに参加することで、よりサステナブルな素材利用に転換する等し、環境に配慮したビジネスの実現に取り組んでいく。この5社は、(1)埋め立てや焼却に回される不要になった服を90,000トン再利用、(2)二酸化炭素排出量を160万トン削減、(3)水使用量5億88万m3削減、の達成に向けて今後取り組んでいく。
また5社は、ECAPを主導するNGO5団体の支援も受けることができる。主導5団体は、
- WRAP:イギリスに拠点を置く、資源の有効活用の専門家集団
- MADE-BY:イギリス、オランダ、ドイツに拠点を置き、サステナブル・ファッションの普及に取り組むNPO
- Rijkswaterstaat(RWS):オランダ政府のインフラ・環境省傘下の組織
- Danish Fashion Institute(DAFI):デンマークのブランドによって創設されたサステナブル・ファッションの普及団体
- London Waste and Recycling Board(LWARB):ロンドンで戦略的な廃棄物処理実現を目指す法人
欧州では、EUの執行機関である欧州委員会がサーキューラーエコノミーを推進するなど、廃棄物削減に向けた取組が進んでいる。ECAPも、欧州委員会の「サーキュラー・エコノミー・パッケージ」や国連持続可能な開発目標(SDGs)を意識し、活動に取り組むとしている。
【参考サイト】European Clothing Action Plan announces first participants
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