米国環境保護庁(EPA)は10月11日、今年6月に米国で成立したローテンバーグ化学安全法に基づき、難分解性、生体蓄積性、毒性(PBT)化学物質を規制を強化するため有害物質管理法を改正していく考えを示した。ローテンバーグ化学安全法では、PBT化学物質の規制に関して、当局が詳細なリスク評価をせずとも規制をかけられる「ファストトラック制度」が整備されており、EPAは早速この制度を活用する。
【参考】化学物質規制強化法案が成立、環境保護庁が化学物質規制を制定する計画
今回がEPAが「ファストトラック制度」を用いた規制強化を発表したPBT化学物質は全部で5種類(括弧内は主な用途)。
- デカブロモジフェニルエーテル(DecaBDE):繊維製品に添加する難燃剤
- ヘキサクロロブタジエン(HCBD):ゴム化合物を含む化学物質中間体
- ペンタクロロベンゼンチオール(PCTP):ゴム部品の剛性率向上のための添加剤
- リン酸トリス(4-イソプロピルフェニル):難燃剤
- 2,4,6-トリ-tert-ブチルフェノール:ガソリン、燃料油、潤滑油添加剤
EPAはこれ以外のPBT化学物質についても規制の是非について検討を進めている。ローテンバーグ化学安全法では、PBT化学物質に関し、「ファストトラック制度」ではなく当局による厳格なリスク評価に基づいた上での規制判断を行うよう化学メーカー等の企業からEPAに対して要請する制度も備えており、企業からの要請期限は今年の9月19日となっていた。その結果、香料の混合に用いられる2種類のPBT化学物質に対して要請があった。
ローテンバーグ化学安全法は、国民の健康不安や環境被害を早期に食い止めるため、EPAに対してPBT化学物質を規制する措置を2019年6月22日までに取るよう定めており、目下EPAは今回発表された化学物質5種類を含め規制強化法案の作成を急いでいる。
【参照ページ】EPA Acts on New Chemical Law to Fast-Track Five Chemicals
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