電子機器世界大手HPは9月21日、ハイチのごみ埋立現場で生じている社会問題の解決に乗り出すことを発表した。ハイチのごみ埋立場では、貧困層の子どもたちがリサイクル可能な製品を収集して生活のための貴重な財源となっていると同時に、不衛生で危険な現場での作業のため健康不安も抱えている。HPは、健全なサーキュラーエコノミー(循環型経済)を実現するために、ごみ埋立場でのリサイクル品収集に従事している子供や親に対して教育機会を提供するとともに、より正式な形でリサイクル利用していくオペレーションを構築していく。
今回の取組は、今年9月にニューヨークで開催されたイベント「クリントン・グローバル・イニシアチブ(CGI)」の中で発表された。取組にはHPの他にも、靴製造大手のティンバーランド、アパレル製品のリサイクルに取り組むThread International社、ハイチでの活動を展開するNGOのTeam Tassy、プラスチック製品リサイクルNGOのACOP(Association des Collectors des objets en Plastic)が共同参加する。クリントン・グローバル・イニシアチブはクリントン元米国大統領が2005年に始めたイベントで、社会問題を解決するためのアイデアをシェアしている。
具体的内容としては、今後3年間、ハイチのTruitier埋立場の子どもたち200人以上に奨学金を支給し、教育の機会を提供すると同時に、健康や安全に関する講習会も開催する。また親に対しては就業訓練の場を提供するとともに現地の起業家に30万米ドル以上を資金提供する。HPはさらに、同埋立場から回収されたペットボトルを購入することを決定し、同社のインクカートリッジにリサイクル原料として使用していく。同社はすでに1日100万本以上のペットボトルをリサイクル原料として用い、年間で30億個以上のインクカートリッジを生産しており、今回そのオペレーションをハイチに拡大する。
【参照ページ】HP partners with Thread International, Timberland to help Haitian children, families
【イベント】CGI 2016
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