カナダのトルドー首相は10月3日、2018年にカナダ全土で炭素税を導入するとカナダ国会での答弁で宣言した。複数紙が一斉に報じた。炭素税とは、気候変動を引き起こす二酸化炭素の排出に課税する税。現在カナダ国会では、気候変動枠組条約(COP21)パリ協定の批准審議が行われており、カナダ国会は間もなく批准する見込み。トルドー首相は国会審議の場で、カナダの全州及び全準州の地方政府は、二酸化炭素排出者に対し1トン当たり最低でも10カナダドル(約770円)の直接税を課しか、もしくは「キャップ・アンド・トレード」型の排出権取引制度を開始することになると言明した。トルドー首相は背景について、気候変動抑止が国際合意であり、すぐにでも対処しなければならないことだと説明した。
【参考】トルドー首相、カーボンプライシング導入の意向を発表。複数州は導入に反対(2016年8月8日)
炭素税の導入については、州政府から反対の意見も出ているが、トルドー首相は連邦政府主導で強行突破する構えだ。首相は、炭素税導入もしくは「キャップ・アンド・トレード」型排出権取引制度のいずれも導入しない州及び準州に対しては、連邦政府が替わって1トン当たり10カナダドル(約770円)の炭素税を課し、2022年まで毎年10カナダドルずつ増税していく考えを示した。人口の多いオンタリオ州やケベック州ではキャップ・アンド・トレード」型の排出権取引制度を整備する考えで、ブリティッシュ・コロンビア州はすでに炭素税を導入している。一方、化石燃料生産地のアルバータ州は、すでに炭素税を導入する計画を進めているが、トルドー首相が宣言する価格は高すぎると反発している。同じく化石燃料生産地であるサスカチュワン州の州首相は、今回の発表は連邦政府の一方的な決定であり、州政府との協力を蔑ろにしていると大きく非難の声を上げている。
【参照ページ】Trudeau says Canada to implement carbon tax
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