気候変動に関する情報開示を推進するNGO、CDPは8月3日、CDPが進める「Forests(森林)」分野のグローバル・スコアリング・パートナーに、カーボンオフセットプログラムのソリューション提供などで有名なコンサルティング企業South Polse Groupを選定した。今後両者は、ステークホルダーや投資家が企業の森林保全実態を判断するためのリスク管理ツールとしてスコアリングプログラムを開発していく。両者はすでに「Water(水)」分野のベンチマーク開発でも提携関係にある。
CDPにとって「Forests(森林)」は3つめの事業分野。最も初期に立ち上がった「Climate(気候)」「Water(水)」に続いて、生物多様性や気候変動に大きな影響を与える森林の分野での評価体制を整えている。「Forests(森林)」分野では、森林破壊に大きく関連する4品目、Timber(木材)、Palm Oil(パーム油)、Cattle(畜牛)、Soy(大豆)を対象に企業に対して情報開示を求めていく。今年2月には「Forests(森林)」分野の調査票が初めて企業に送られ、実質的にプログラムが開始した。
森林破壊の分野は近年国際社会でも大きな関心を集めている。2014年には「ニューヨーク宣言」が締結され、180もの国や企業、団体、機関が2020年までに森林破壊を半減させ、2030年までには森林破壊撲滅を目指すことを約束した。メーカーや小売企業400社以上が加盟する消費財フォーラムも、2020年までに森林破壊撲滅を目指すことを宣言している。CDPの発表は2015年時点で約300の機関投資家がCDPの森林プログラムを支持しているという。
両社が開発する森林スコアリングは今年12月に完成する見通し。スコアリングでは、各企業について、事業実態、評判、法規制と各それぞれが事業計画に盛り込まれているかに関する森林破壊リスクを包括的に含める。そして両者は、開発したスコアリング手法に基づき、製造、加工、貿易、小売など各バリューチェーン上のマネジメント慣行について評価していく。
【参照ページ】Press release: Transforming corporate supply chains: CDP and South Pole Group partner to deliver global benchmark on zero deforestation
Sustainable Japanの特長
Sustainable Japanは、サステナビリティ・ESGに関する
様々な情報収集を効率化できる専門メディアです。
- 時価総額上位100社の96%が登録済
- 業界第一人者が編集長
- 7記事/日程度追加、合計11,000以上の記事を読める
- 重要ニュースをウェビナーで分かりやすく解説※1
さらに詳しく ログインする※1:重要ニュース解説ウェビナー「SJダイジェスト」。詳細はこちら