気候変動に関する情報開示を推進するNGO、CDPは8月4日、温室効果ガス排出量データを測定、開示する世界の都市リストを発表した。CDPは気候変動に関する情報を企業から収集していることで知られているが、都市に対してもCDPへの自主的な情報開示を推進している。昨年12月の気候変動枠組み条約パリ会議(COP21)などで気候変動への関心が世界的に高まっていることもあり、CDPに情報開示する都市の数は急増。2015年比で開示都市数は70%増加し、533都市(全体で6億2,100万人)となった。日本の都市では、東京都、横浜市、名古屋市、岡山市、広島市がCDPに情報開示している。
地域別では、アフリカでは12都市から46都市へと情報開示都市は4倍に増加。エチオピア、ウガンダ、コンゴ民主共和国といった後発開発途上国の都市も新たに加わった。アフリカの都市では、昨今、水を媒介とする病気やインフラの損害など、気候変動の影響に直接さらされていながらも、自力だけでの対策が難しく、支援を求めている。気候変動対策の分野で知見の高いCDPに積極的に情報開示することで、CDPからのナレッジ提供を受けたい考えだ。
ヨーロッパでも開示都市数は83%増加し、32ヶ国126都市となった。北アメリカでも、開示都市数が72%増で131都市に上った。米国の人口トップ30都市のうち、3,800人を擁する28都市がすでに開示都市となった。また、カナダでも都市数が2倍になった。中南米では、開示都市数が51%増加、136都市となった。新しく開示した都市の半分以上がブラジルの都市だ。
アジア太平洋地域では開示都市数は30%ほど増加、今年に入ってから、マレーシアの首都クアラルンプール、中国の人口ランク上位の広州、インドのバンガロールやコルカタも新しく加わった。
情報開示都市の傾向は世界的に大規模都市であるほど積極的。1,000万人級の大規模都市(メガシティ)のうち、世界83都市が有志で加盟する団体「C40」においては、加盟都市のうちすでに90%が2016年中に開示都市になると見られている。日本でC40に加盟しているのは東京都と横浜市。C40に加盟している他のアジア都市には、北京、上海、大連、南京、広州、深圳、香港、ソウル、デリー、コルカタ、ドバイ、カラチ、ダッカなどがある。米国のニューヨーク、ワシントンDC、ロサンゼルス、ヨーロッパのロンドン、パリ、ベルリン、ローマなども加盟している。
【参照ページ】Unprecedented global rise in cities disclosing climate strategies
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