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【カナダ】官民連携機関、気候変動が金融機関に与える影響の分析レポートを公表

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 カナダの官民連携機関であるGlobal Risk Institute(GRI)は7月13日、気候変動リスクが金融機関に与える影響をまとめた報告書「Climate Change: Why Financial Institutions Should Take Note」発表した。GRIは、金融システムの健全化に向け、様々なリスクに関する分析や提言を行う機関で、カナダ政府、オンタリオ州政府の他、大手金融機関16社が2011年に設立した。今回の報告書は、気候変動が、銀行、保険、年金基金の金融3業種にお呼びしている影響を検証した。

 銀行業に対しては、世界的な大手銀行の多くが長期戦略やリスクマネジメントのプロセスにおいて、適切に気候変動を織り込んでおらず、包括的なカーボン・フットプリント分析を実施している機関はいまだにないとしている。報告書は、炭素依存度や地球温暖化からの悪影響を受ける産業や資産への融資残高を減らし、グリーンビジネスへの投融資を進めることを商業銀行および投資銀行に対して提言した。

 保険業に対しては、洪水や台風、嵐などの自然災害により保険会社に課される保険金支払い過去10年間で年間100億米ドルから500億米ドルに跳ね上がっている状況を踏まえ、現行の保険ビジネスモデルの安定性が損なわれ、ポートフォリオのリスク分散効果も薄まる可能性があるとした。一方で、環境技術の発展や低炭素インフラ整備により、再生可能エネルギー関連保険など新たな保険領域や、突然の環境分野の政府助成金の停止など政治リスクを補償する保険などが登場しているとまとめた。

 年金基金に対しては、受益者の便益を保護する受託者責任が年金基金には課されていると念を押した上で、受託者責任には、環境や社会に関する不作為リスクを避けることも含まれていることを強調した。そこで、年金基金の意思決定においては、関連する情報を包括的かつ十分に評価する義務があるとまとめた。

 GRIは、2017年、2018年にも、金融機関の気候変動リスクの理解と軽減に資する2つの研究プロジェクトに出資する計画。一つは、環境リスクをヘッジする上場企業のポートフォリオを評価するというもの、もう一方は、気候変動リスクを最小限に留める政府主導の投資戦略に対するアドバイス今後、これらについてもウェブサイトで公表される予定だ。

【参照ページ】Global Risk Institute releases new report on climate change and why financial institutions must act
【機関サイト】Global Risk Institute
【レポート】Climate Change: Why Financial Institutions Should Take Note

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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