金融インデックス開発世界大手のFTSE Russellは6月6日、上場企業がグリーン(環境)事業から上げる売上を推計する新たなモデル(LCEデータモデル)を開発したと発表した。LCEデータモデルにより、48ヶ国の上場企業13,400社の環境事業売上を算出された。この13,400社の時価総額合計は世界の時価総額総計の98.5%を占め、世界のほぼ全ての上場企業のデータが揃っていると言える。13,400社は、先進国から新興国、大企業から中小企業まで幅広くカバーされている。
LCEデータモデルでは、各社の売上を、60の環境事業サブセクターに分類し割り当て、同社が開発した「低炭素経済産業指標(LOWCII)係数」を掛け合わせて各企業売上の環境事業売上比率を推計。その後、各企業の売上総額を掛け合わせ、環境事業売上額を産出する。業界に普及している従来モデルは、ESG評価や二酸化炭素排出量の多い企業を抽出することしかできなかったが、LCEデータモデルでは、世界の気候変動や法規制の強化に対応できる企業がどこかを浮き彫りにできるという。
同社の分析によると、13,400社のうち、すでに2,400社以上が、60ある環境事業サブセクターの1つ以上で売上を上げている。とりわけ大企業のほうが、環境製品や環境サービスの展開を始めているという。同社の代表的な株式指数であるFTSEグローバル株式インデックスシリーズ(FTSE GEIS)の構成銘柄7,711社においては、売上合計のうち約7.2%(2兆9,000億米ドル)が環境事業からの売上。FTSE GEISのうち新興市場からの売上割合は8.3%(3兆5,000億ドル)であり、環境事業売上規模はこれに迫る勢いだ。FTSE GEISの7,711社のうち24%(1,880社以上)がすでに環境事業を開始している。
同社は、LCEデータモデルに基づき、新たなインデックスシリーズ「Green Revenues Index Series」も開発した。このインデックスは、世界全体、各地域、各国ごとに環境事業売上がどれだけ伸長しているかを示すもの。シリーズの中には、投資家ニーズに合わせて様々なユニバースを用いたものが開発されており、ラッセル1000対象、ラッセル2000対象、FTSE ALL World対象、FTSE developed対象、FTSE emerging対象、FTSE ALL Share in the UK対象、FTSE CHINA Index Series対象のものなど10種類が今回用意されている。将来的には、上場投資信託をユニバースとしたものも開発していく考えだ。
【参照ページ】New Green Revenues model from FTSE Russell tracks global transition to a green economy
【インデックスシリーズ】FTSE Green Revenues Index Series
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