オーストラリアのカトリック系キリスト教4団体は6月15日、石炭、石油、ガスの化石燃料全体からのダイベストメント(投融資引き揚げ)を共同で宣言した。化石燃料全体からのダイベストメントを複数のカトリック団体が共同で発表するのは世界で初めて。今回宣言に加わった4団体は、Marist Sisters Australia、Presentation Congregation Queensland、Presentation Sisters Wagga Wagga、the Passionists。
今回の宣言の背景には、石炭火力への依存度が高いオーストラリア政府に対し、世界各地の宗教団体から気候変動に対処するよう求める公開書簡が送られていたことがある。これまでに、ユダヤ教のラビ、イスラム聖職者、英国国教会司教などが、グレート・バリア・リーフへの環境保全の取組の強化、炭鉱の建設承認撤回、化石燃料補助金の廃止を呼びかけていた。公開書簡の中では、与党・自由党と最大野党・労働党の気候変動に対する取組の不備も批判されていた。また、カトリック最高権威であるローマ法王フランシスコは昨年、「Laudato Si’」という第二回の回勅を発し、カトリック教徒のみならず全人類に対し環境保護・気候変動の悪化回避を呼びかけてきた。今回の宣言はその回勅の1年後となり、「Laudato Si’ week」という宗教的なキャンペーン期間で発表された。発表に関しては、オーストラリアの多宗教団体であるAustralian Religious Response to Climate Changeと気候変動問題に取り組む国際環境NGOの350.orgが呼びかけていた。
【参照ページ】Australian Catholic organisations say no to fossil fuels
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