消費財世界大手P&Gは5月27日、同社が主力製品のひとつである食洗機用洗剤「Fairy」ブランドの世界全体全製品において、リン酸塩の使用を止めることを発表した。EUでは2017年1月1日から食器用洗剤のリン酸塩含有を一回分当たり0.3g以下に制限する規制が発効するが、P&Gはそれより早く、リン酸塩含有量をゼロにする。
リンは生物DNAを生成するのに不可欠な化学物質で重要性が高い。農業肥料などに多く利用されている一方、地球上での存在量が限られており有限資源とも言われている。一方、希少性の高いリンには多くの生物が過剰反応を起こし、環境中にリンが大量に分布すると赤潮や生物異常発生などの生態系破壊をもたらすことでも知られている。リン資源採掘時にも自然破壊を引き起こすことから、リンの効率利用のための法規制が世界各国で進んでいる。
P&Gは、2005年からリン酸塩の消費量を段階的に削減してきており、あらゆる水に対する製品の効果を改良するため、リン酸塩に変わる新しい材料の開発に多くの時間を費やしてきた。結果、P&Gの洗浄製品の95%以上ではリン酸塩が使用されていない。今回、「Fairy」ブランド全製品からリン使用を止めることによるリン削減量は年間14,000トンと見積もられており、その量はサッカー場27万個分に相当する
P&Gは、「Fairy」ブランドでそれ以外の取り組みも実施ている。洗浄力を上げ「事前の水ゆすぎ」を不要なものとすることで、毎年21億リットルの節水効果があるという。また、手洗い用洗剤では濃縮液体で販売することで年間24,000トンの容器を削減することにも繋がっている。
【参照ページ】Fairy dishwasher tablets end phosphate use globally, removing over 14,000 tons of phosphate annually
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