マレーシアの巨大財閥IOIグループは6月6日、パーム油の持続可能性を示すRSPO認証の停止措置を不服とした提訴を取り下げると発表した。6月14日の和解聴聞会の場で公式に取り下げが確定したと見られる。IOIグループは、インドネシアの熱帯雨林において森林破壊を引き起こしているとして、3月25日にRSPO(持続可能なパーム油のための円卓会議)からRSPO認証停止措置を受けた。これを不当として、IOIグループは先月5月9日にRSPOの本部が置かれているスイス・チューリヒの地区裁判所に提訴していた。
【参考】パーム油生産のIOIグループ、RSPO認証停止を不当とし裁判所に提訴
今回、IOIグループの提訴取り下げの背景となったのは、ユニリーバ、マース、ケロッグ、ネスレなどのIOIグループの大手取引先がRSPO認証停止措置後、すぐに同社との取引を停止したことが要因となったと考えられている。今回のIOIグループの提訴取り下げによって、パーム油を取り扱う企業がRSPO認証の停止措置を受けることは、取引先喪失につながるリスクがあることが明確となった。
IOIグループのCEOであるDato’ Lee Yeow Chor氏は、6月6日に今回の提訴取り下げについての声明を発表しており、今後IOIグループは、2016年末までにRSPO認証の最高レベルである「NEXT認証システム」に沿うアクション・プランを実施していく考えだ。RSPOのNEXT認証では(1)森林破壊を行わない、(2)泥炭地での植林を行わない、(3)農園、私有地付近で火の使用を制限する、(4)温室効果ガスを削減する、(5)小作農業者と労働者の権利を尊重する、(6)パラコート(除草剤)の使用を制限する、(7)透明性とトレーサビリティを強化する、などの条項が盛り込まれている。ただし、今回の同氏の声明では、アクション・プランの詳細については言及されていない。
【参照記事】Malaysian palm oil giant IOI drops lawsuit against green group
【参照記事】Suspended Palm Oil Producer Drops Lawsuit Against RSPO
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