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【アメリカ】NIKE、2020年サステナビリティ目標を発表。パリ協定2℃目標コミットへ

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 アパレル世界大手の米Nikeは5月11日、2014年と2015年の2年分のサステナビリティ報告書「Sustainable Business Report」を公表、2015年までの進捗状況を発表するとともに、2020年までの戦略目標を掲げた。戦略目標では、強化ポイントとして、(1)環境負荷の低減、(2)製造工程の変革、(3)人材の能力開発の3点を挙げた。

 同社が報告書の中でまず、2015年までの達成状況を発表した。

  1. 売上52%増加する一方で、商品単位の二酸化炭素排出量を18%削減
  2. 染色・仕上げ工程での水消費量を商品単位18%削減、靴製造工程での水消費量を43%削減
  3. 86%の契約工場が同社独自の労働慣行調達基準においてブロンズ以上を獲得
  4. 新発売靴のうち98%が同社独自の環境調達基準でシルバー以上、新発売衣料では80%がブロンズ以上を獲得
  5. 契約靴工場廃棄物のうち埋立される割合を8%に削減

 同社は、今後のサステナビリティ目標を立てるにあたり、昨年12月に国際合意に至ったパリ協定での2℃目標を強く意識。同社がこれまで設定してきた環境改善のペースでは2℃目標の次元には至らないと分析、より大きな投資を実施し2℃目標にコミットメントすることを表明した。同時に、サプライチェーンにおける労働慣行の改善も強化する。同社は靴や衣料品の生産を外部工場に委託しているが、委託先の労働慣行改善を目標に掲げた。さらに、同社内部の従業員政策やコミュニティ投資も実施していく。報告書の中では、これら3分野における2020年までの戦略目標を公開した。

(1)環境フットプリント
   ・製品分野全体で10%の環境フットプリントを削減する
   ・コットン調達100%を持続可能な調達にする
   ・2025年までの再生可能エネルギー100%事業運営に向け、主要事業分野で25%のCO2削減
   ・染色・仕上げ工程で35%のCO2削減
   ・契約靴工場からの埋立廃棄物を0%に削減する
   ・契約工場での有害化学物質(ZDHC)の排出をゼロにする

(2)労働サプライチェーン
   ・100%の契約工場が同社独自の労働慣行調達基準においてブロンズ以上を獲得する
   ・契約工場従業員の待遇改善のため新たな報酬制度モデルを開発する
   ・労働環境改善のためのパートナーシップの設立

(3)人間社会
   ・ダイバーシティの向上、従業員福利の向上
   ・税引前利益の1.5%をコミュニティ投資に回す

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(出所)Nike 2016 Sustainable Business Report

 Nikeのサプライチェーン全体のフットプリントとしては、依然、コットンなどの原材料生産と加工時および製品そのものの利用時が大きい。もちろん、原材料生産や製品利用は、狭義の意味では同社自身の活動の範疇外だ。しかしながら、Nikeはサプライチェーン全体を視野に入れた対策を採る先進的な姿勢を示しており、高く評価できる。今回、同社は2020年までにコットンの持続可能調達割合を100%にまで上げる目標を掲げたが、今後の削減可能分野はこれらをどう対策していくかにありそうだ。

【報告書】Nike 2016 Sustainable Business Report

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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