コーヒーチェーン世界大手のスターバックスは5月16日、米国初のコーポレートサステナビリティ債を含むシニア債の発行を実施すると発表した。同社のサステナビリティ戦略「Eligible Sustainability Projects」を推進するため、2026年を満期とする年利2.450%のシニア債を発行し、5億米ドル(約540億円)を調達する。同社は今回の社債発行にあたり、ESG投資リサーチ会社サステナリティクス(Sustainalytics)からセカンドオピニオンも得た。
スターバックスは毎年、持続可能なコーヒー豆の調達を確保するための体制づくりに多額の投資を行っている。同社はすでに2015年時点において、調達したコーヒー豆5億5,100万ポンドのうち99%が社会・環境観点からのサステナビリティ認証を得ている。また、同年にはコーヒーを世界初の持続可能な農業製品とするためのイニシアチブ「Sustainable Coffee Challenge」の創立メンバーともなった。今回の社債発行では、さらに、(1)第三者認証を得たコーヒー豆の調達、(2)コーヒー豆農家の支援センターの強化、(3)コーヒー豆農家への短期および長期融資の実行、という三つを推進していく。
第三者認証促進では、同社は「Coffee and Farmer Equity(C.A.F.E.)」というプログラムを米環境NGOのコンサーベーション・インターナショナルとともに15年前に設定しており、同社が定めたサステナビリティ調達基準を満たす第三者認証を取得したコーヒー豆の調達をさらに強化する。同社はまた、世界的な農学研究を行うためコスタリカのコーヒー農園を買収しており、そこでの研究開発費にも投じられる。農家支援センター強化では、同社は現在、世界8ヶ所(ルワンダ、タンザニア、コロンビア、中国、コスタリカ、インドネシア、グアテマラ、エチオピア)でセンターを運営しており、そこでの運営費にも資金が投じられる。中長期融資では、スターバックス・グローバル農家基金を通じて、5,000万米ドル(約54億円)を農家に融資していく。
スターバックスは、2025年までの満期の間、社債調達資金が適格基準を満たすプロジェクトへの割振り終えるまで、毎年資金割振り状況をホームページ上で公表する。セカンドオピニオンを担当したSustainalytic社は、社債調達資金が投じられる予定のプロジェクトが社会や環境に与えるアウトカム(結果)を高く評価しており、「ESGリーダー」の格付も付与している。
【参照ページ】Starbucks Issues the First U.S. Corporate Sustainability Bond
【企業サイト】Starbucks
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