ドイツのメルセル政権は4月27日、電気自動車の普及を目指すため、電気自動車への助成金制度を設けることで自動車業界と合意に達したと発表した。総額12億ユーロ(約1,470億円)規模。電気自動車は価格が高いため、助成金を付けることで購入者増を目指す。新車購入時に、電気自動車には4,000ユーロ(約50万円)、ハイブリッド自動車には3,000ユーロ(約37万円)が政府から購入者に支給される。
連邦議会での承認を得て5月中に開始する予定だ。財源は国家予算が半分で、残り半分は自動車メーカーが負担する。当初自動車業界は25%の負担を申し出ていたが、政府との交渉で増額に至った形だ。ドイツでの新車販売台数は年間300万台あるが、現在電気自動車とハイブリッド自動車の合計台数は16万台に過ぎない。メルケル政府2020年までに100万台に増やす目標を掲げている。同時に政府は、2020年までに毎年3億ユーロ(約370億円)を投じ、EV充電ステーションを15,000ヶ所に設置する政策も発表した。
ヨーロッパの自動車市場の中で、ドイツは四分の一近くを占める巨大マーケット。ドイツ製造業を牽引する自動車産業は、ドイツ国内市場をポテンシャル市場として注視している。ドイツ製造業で重要な位置を占める自動車産業は、ヨーロッパにおいて四分の一近くを占める国内マーケットをポテンシャル市場として注視している。
ドイツ国外でも同様の政策は打たれている。フランスでは、古いディーゼル車を下取りに出すと10,000ユーロの助成金が得られる。ノルウェーでは、電気自動車の保有者は、減税、バッテリーチャージの無料化、駐車場の無料化、渋滞課金の免除など幅広い利点が得られる。
ドイツでも大きな予算を要する電気自動車支援に対し反対の声がないわけではない。メルケル政権は、与党であるキリスト教民主同盟、キリスト教社会同盟は今回の政策を後押ししているが、野党は非難の声を挙げている。
【参照ページ】Germany Plans $1.4 Billion in Incentives for Electric Cars
【参照ページ】Germany to boost electric car incentives
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