Sustainable Japanを運営する当社(株式会社ニューラル)と、銀行の社会的格付を実施するFair Finance Guide Japan(FFGJ)は4月22日、海外主要銀行の「石炭ダイベストメント方針」をまとめた調査レポートを発表した。日本のメディアではあまり報道されていないが、昨年から世界大手の銀行が相次いで石炭産業からの投融資引き揚げ(ダイベストメント)を実施している。今回、米国Bank of America、Morgan Stanley、Wells Fargo、英国HSBC、フランスBNP Paribasを取り上げ、具体的な規制内容やその経緯を分析した。
【報告書】海外主要銀行の「石炭ダイベストメント方針」調査レポート
石炭産業は昨今の資源価格の下降もあり、事業採算性が大きく悪化している上、昨年12月の気候変動枠組み条約パリ会議(COP21)で二酸化炭素排出削減に関する国際合意に至ったこともあり、投資対象として適格性を大きく下げている。ダイベストメントを実施ている銀行各社のポリシーの中身には差異はあるが、ダイベストメントを単なる環境政策やCSRという観点だけでなく、財務リターンの側面からもダイベストメントを実施しているという共通点がある。ダイベストメントの範囲を、石炭採掘だけに留めるか、石炭火力発電にも広げるかの判断は、銀行ごとに違いがある。
パリ会議以降、直接金融を扱うファンドやアセットマネージャー、間接金融を扱う銀行とともに、欧米では金融機関全体で気候変動問題に対する関心が著しく高まっている。中国でも同様に石炭産業に対して金融機関のアセスメントを強めるよう行政指令が出ている。一方で、日本の主力銀行の中で石炭ダイベストメントを発表したところはまだない。むしろ、日本政府は今でも石炭火力発電を推進しようとしている。投資適格性の観点からも、長期的に石炭への投資が有効なのかどうか、再度検討する必要がありそうだ。
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