イギリスを本拠地とするNGO、オックスファム・インターナショナルは4月19日、世界大手食品企業のサステナビリティを評価・ランキングするレポート、"Behind the Brand Campaign"の2016年版を公表、ユニリーバがトップに輝いたと発表した。"Behind the Brand Campaign"は、世界の大手食品企業10社(トップ10)について、2013年からの独自のサステナビリティ観点で評価したもの。これを通じて、企業に改善を促すキャンペーンを展開している。
対象となるトップ10は、英アソシエイテッド・ブリティッシュ・フーズ、米ケロッグ、米コカ・コーラ、米ゼネラル・ミルズ、仏ダノン、瑞ネスレ、米ペプシコ、米マ-ズ、米モンデリーズ・インターナショナル、英ユニリーバ。オックスファムが引用したフォーブスのデータによると、10社合計の1日当たり売上は11億米ドルを上回り、世界の飲料・食料サプライチェーンに巨大な影響力を持つ。ランキングでは、首位ユニリーバ以下は、2位ネスレ、3位コカ・コーラ、4位ケロッグ、5位マーズとペプシコがタイ、7位モンデリーズ・インターナショナル、8位ゼネラル・ミルズ、9位アソシエイテッド・ブリティッシュ・フーズ、ダノン。
ランキング評価では、土地、女性、農場経営者、農場労働者、気候変動、透明性、水の7テーマについて、それぞれ10段階で評価。その合計が総合ランキングとなる。首位ユニリーバは、気候変動で今回ランキング全体で最高の9点をマーク、農場経営者と農場労働者で8点、土地、透明性、水で7点、同社の最低スコアは女性で6点だった。一方、最下位ダノンは、2点、3点の項目が複数あり、最高スコアが気候変動の6点だった。
7テーマの評価内容は、
- 土地:農業従事者の土地への権利やアクセスと持続可能な土地利用
- 女性:サプライチェーンにおける農業従事者や小規模生産者としての女性の処遇
- 農場経営者:特に小規模事業者によ農作物生産
- 農場労働者:サプライチェーンにおける労働者の処遇
- 気候変動:温室効果ガスと森林破壊の削減、気候変動への対処
- 透明性:企業の情報開示の透明性
- 水:サプライチェーンの水資源への権利やアクセスと持続可能な水利用
透明性を除く各テーマは、次の4指標に分けられ、公開情報に基づきステークホルダーによって判定された。それぞれの指標に25%ずつ配分されて得点が出される。7テーマのウェイトは各10点と平等で、重みづけはなされていない。
- 認識:テーマの重要性に関する認識表明及び関連プロジェクトの実践をしているか
- 知識:テーマ課題の測定・評価・リポートをサプライチェーンを含めて行っているか
- コミットメント:サプライチェーン上でテーマ課題に対処するコミットをしているか
- サプライチェーンの管理:サプライヤーに対してテーマに関する基準への達成を要請しているか
また透明性に関しては、租税問題を含む広範な視点から情報開示について評価している。
2013年に発表された前回の報告と比べ、ユニリーバ、ネスレ、コカ・コーラは大幅にスコアがアップした。また、ダノン以外の他社もスコアが10%以上アップしており、業界全体の改善が見られた。ダノンも7%アップしていた。オックスファム・インターナショナルは、食品業界全体のサステナビリティ改善の背景には、"Behind the Brand Campain"が大きく寄与していると自信を見せた。
【参照ページ】"Behind the Brand Campain"
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