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【フランス】老舗NovethicはSRI認証の運用停止、背景には仏政府の新政策

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 フランスでのSRIファンド認証環境が大きな変化を迎えている。SRIファンド認証とは、「SRI」を謳って資金募集を行うファンドに対し、第三者がそのファンドの「SRIとしての真正」を認定する制度。SRIという名称やブランディングはどのファンドも自由に使えるため、社会や環境に対しての基準が明確でないにもかかわらず、SRIというブランドを用いて資金募集をするということがこれまで世界各地で行われていた。このような一種の「不正」を防止するため、SRIの認証制度を整備する企業が出現している。

 フランスでは2001年に設立されたSRI専門ファームNovethicが、2009年にヨーロッパ初のSRIファンド認証を開始、フランス国内で大きな存在感を見せていた。2015年9月時点では、Novethicはヨーロッパ全域で113のファンドに「SRI」認証を、7つのファンドに「グリーン」認証を与えており、その71%はフランス国内に集中していた。そのNovethicが今年春、2016年末を最後にフランス国内では自社のSRI認証制度を停止させることを発表したのだ。大手の認証企業が急に方針を変更したのはなぜか。その背景には、昨年年末から今年初めにかけてフランス政府が実施した政策がある。

 フランスのエコロジー・持続可能開発・エネルギー省は昨年12月11日、グリーンエコノミーを推進するファンドに対して付与する認証「Energy and Ecological Transition for Climate Label(TEEC)」を発表、フランス政府主導の第1号認証がこうして立ち上がった。このファンドの認証は、政府が直接与えるものではなく、フランス認定機関(COFRAC)が認定を与えた企業や機関が審査を行い付与される。続いて今年1月10日、フランスの財務・公会計省が、「SRIファンド認証」を立ち上げ、SRI領域全体をカバーする政府認証がさらに誕生した。SRIファンド認証もTEECと同様、認定機関がフランス認定機関(COFRAC)から資格を得て、認証の審査・授与を行う。

 このような事態の変化を前に、Novethicは3月7日、TEEC認証機関としての資格をCOFRACから得、政府認証の認定機関のひとつとして生き残る道を選んだ。そして、その後、7年間運用してきた独自のSRI認証制度をストップさせることを発表した。Novethic幹部は、政府認証とは伍することができない、とその理由を語った。Novethicは、一方で、ドイツ、オーストリア、スイスでの自社SRI認証「FNGラベル」は引き続き継続していく方針も伝えた。

 SRIやESGの動きが世界的に大きなトレンドとなる中、認証の世界も変動を見せている。ファンドが国境を超えて活動を行うようになり、ファンドパスポート制度がヨーロッパだけでなく、アジアでも検討が進む中、SRIファンド関係者だけでなく認証事業者も、考慮する要素が増えてきた。

【参照ページ】SRI: THE FRENCH GOVERNMENT CREATES OFFICIAL LABELS FOR FINANCIAL PRODUCTS
【参照ページ】NOVETHIC CERTIFIED 113 SRI FUNDS IN 2015
【参照ページ】NOVETHIC, FOUNDER OF THE FIRST EUROPEAN SRI CERTIFICATION, BECOMES EETC CERTIFICATION AUDITOR
【参照ページ】Novethic suspends SRI label for French funds as government launches own scheme
 

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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