総合電機世界大手の独シーメンスは3月24日、イラク政府との間で、石油・ガス設備の近代化を共同で実施する覚書(MoU)を締結した。今後、イラクのエネルギー省、石油・ガス省と連携し、パワーミックス(複数の発電方法を混合させる手法)を含めた発電整備と送電網インフラを開発していく。
また今回の覚書の中で、将来に渡り発電および石油・ガスの分野でさらなる協力を行っていくことでも合意し、特にインフラ強化のための資金調達の枠組みについても今後整備していく考えだ。
欧米を中心に、化石燃料からのダイベストメントキャンペーンが巻き起こる中だが、化石燃料の分野では発電効率の増加、ガスフレアの撲滅、炭素回収蓄積技術(CCS)などの技術革新が必要だとも言われている。今回のシーメンスの発表からは、設備近代化に向けての具体的な内容はまだ明確になっていない。イラクはフセイン政権打倒までの間、原油輸出禁止などの経済制裁を国連から受けており、今でも石油・ガスの増産をしたいという政治的な思惑が強い。シーメンスの具体的な取り組みに注目が集まる。
【参照ページ】Siemens and Iraq sign landmark energy cooperation agreement
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