英国のクランフィールド大学は3月8日、世界初となる「サーキュラーエコノミー修士」を2016年10月に開講すると発表した。正式名称は、「サーキュラーエコノミー:テクノロジー・イノベーション・マネージメント」。エグゼクティブ向けのパートタイムコースで、授業はキャンパスでのレクチャーとウェビナー(オンライン・セミナー)との組み合わせで行われる。エレン・マッカーサー財団がこのプログラムをバックアップする。
このプログラムは、工学と環境科学を融合させた学際的な内容となっている。従来の「take(調達)・make(製造)・dispose(廃棄)」というビジネスアプローチを、より持続可能なアプローチへと転換させるのが狙いだ。資源を修理・再利用・再生できる経済モデルを強化し、資源や製品を最も価値ある形で有効活用する方法を追求していく。
エレン・マッカーサー財団の試算によると、ヨーロッパ全体でサーキュラーエコノミーを実現した場合、毎年1.8兆ユーロ相当の経済的メリットがあるという。この分野でも英国ではシェリングエコノミーの可能性が議論されており、ソーシャルメディアの利用による個人間の金融、ネットによる人材募集、個人間の住宅や部屋の貸し借り、自家用車の共有や音楽・ビデオのストリーミング、この5つの分野だけでも2025年までに90億ポンド相当の収益につながるという。Airbnbのビジネスモデルや、中古車の部品を再利用するGMの取り組みなどもこのプログラムの中で扱われる予定だ。
クランフィールド大学は、エレン・マッカーサー財団がサステナビリティやサーキュラーエコノミーの先進校に指定する「パイオニア大学」の一つで、他にも協働事業を展開している。すでに、社会的イノベーションや起業機会の創出に注力する「RECODE」プログラムを提供しており、ビッグデータをサーキュラーエコノミーに活用する方法を学術関係者、メーカー、政策担当者そしてエンドユーザーと共に進めている。「パイオニア大学」の他の5校は、英ブラッドフォード大学、英ユニバーシティカレッジロンドン、米アリゾナ州立大学、米ロチェスター工科大学、蘭デルフト工科大学。
【参照記事】World's first circular economy Master's launched by Cranfield
【団体サイト】Ellen MacArthur Foundation
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