ステークホルダーとは?
ステークホルダー(Stakeholder)とは、ある企業の意思決定や活動に関わる全ての利害関係者のことです。金銭的な利害関係をもつ株主などの投資家や顧客だけでなく、従業員・債権者・取引先・地域社会などを含み、広義には社会全般を意味します。
このように広域にわたるステークホルダーは、あらゆる面において企業の意思決定や活動に関わり、各ステークホルダーの利害や関心事項は企業自身の業績や活動自体に重大な影響を及ぼすため、企業にとってはステークホルダーのニーズを把握することが非常に重要となります。そこで企業は、彼らの意見を意思決定や活動に反映するために、ステークホルダー・エンゲージメントを実施しています。(詳しくは、用語集の「ステークホルダー・エンゲージメント」を参照。)
マルチステークホルダー・プロセス(MSP)
上記のように「ステークホルダー」は様々な主体を意味しますが、3者以上のステークホルダーが対等な立場で議論し、合意形成などの意思疎通を図るプロセスのことを「マルチステークホルダー・プロセス(MSP)」といいます。MSPは、持続可能な発展に関する議論の中で提唱された概念です。1992年の地球サミットでの「アジェンダ21」で採り上げられた、持続可能な発展の実現に不可欠なプロセスを具現化するものとして生み出されました。MSPの最大の条件の一つは、各ステークホルダーが平等に参加し、意見を表明するという点です。このプロセスにより、対話を通じた信頼関係の醸成、意思決定の社会的正当性の確保、主体的行動の促進、二者間で利害対立がある課題の解決などが可能になると指摘されています。
近年、サステナビリティに関してはCSRが世界規模で注目を集め、多くの企業がCSR活動に取り組み、それを社会にPRしています。MSPはさらに、企業主体ではなくステークホルダーとの双方向の対話を通じて意思決定を進めることで、CSRの限界を超えてサステナビリティを実現する公共ガバナンスとして期待されています。
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