ステークホルダー・エンゲージメントとは?
ステークホルダー・エンゲージメントとは、企業が活動や意思決定を行う上で、ステークホルダー(定義については、用語集の「ステークホルダー」を参照。)の関心事項を理解するために行われる取り組みのことです。企業とステークホルダーの相互の対話を意味する「ステークホルダー・ダイアログ」(詳しくは、用語集の「ステークホルダー・ダイアログ」を参照。)はその一種であり、そのほかにも従業員を対象にしたアンケート、顧客からの電話や問い合わせなど様々な活動がエンゲージメントに含まれます。
企業によるステークホルダー・エンゲージメントの具体例
それでは、日本の企業はステークホルダー・エンゲージメントとしてどのような活動を進めているのでしょうか。ここでは、多くの企業が実際に採り入れているCSRコミュニケーションに着目し、代表的なステークホルダーに対するエンゲージメントの目的と具体的な活動例を紹介していきます。
1. 株主
目的:適時・適正の情報開示、利益還元、SRI(社会的責任投資)への対応
活動:株主総会や投資家向け説明会の実施
2. 顧客
目的:製品・サービスの安全・適切な供給、情報開示
活動:ショールームやお役様相談センターの設置、展示会の開催、製品情報の提供
3. 従業員
目的:公正な処遇、人権尊重、労働安全衛生への配慮
活動:意識調査アンケートの実施、労使懇談会の開催
4. 取引先
目的:サプライチェーンにおける人権・環境への配慮
活動:CSR調査アンケート、方針説明会の実施
5. 地域社会
目的:地域社会への貢献、地域文化の尊重
活動:講演・懇談会・工場見学などの開催、NGOや市民団体との協働
このように、ステークホルダー・エンゲージメントには各ステークホルダーに対する様々な活動が含まれています。企業はこれを実施することで、ステークホルダーのニーズを理解し経営に反映すると同時に、自社のCSR活動をPRし業績にもつなげることができます。ステークホルダー・エンゲージメントを実施する企業が増加する中で、今後はそれぞれの活動の具体的な実施方法や有効性についても検討し改善していくことが必要であるといえるでしょう。
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