米食品大手のマースは2月5日、消費者の嗜好の変化に対応すべく、同社の販売するヒト向けの全ての食料製品において人工着色料の使用を止めることを公表した。
同社の製品の多くは既に人口着色料を使用していないものの、その範囲をヒトが食べる食品ポートフォリオ全てに広げることで、消費者に対するコミットメントを強化する。人口着色料の除去は今後5年間で段階的に進められ、チョコレート、ガム、菓子、ドリンクの50ブランド以上にわたって実施されるという。
マースは今回の方針決定に至った背景として、人口着色料はヒトの健康や安全性に関するリスクはないものの、今日の消費者らが食品メーカーらに対してより多くの天然成分を使用するよう求めている点を挙げている。今後、同社はサプライヤーとの密接な協働のもと、同社のブランドを代表する明るく楽しいカラーを維持しながらも同社の品質と安全基準に対応した、人口着色料の代替成分を探していくとしている。
マースのCEOを務めるGrant F. Reid氏は「我々は当社の製品を愛してくれる人々に満足してもらい、喜んでもらうような事業をしている。消費者向け食品ポートフォリオから全ての人工着色料を除去することは、大きな事業であり、実現には時間と厳しい作業が必要となる。当社の消費者は上司であり、われわれは上司の声を聞く。そうすることが正しいことと言うならば、マースがそうするのは正しいことだ」と語った。
マースは現在の世界中の食品ポートフォリオにおいて様々な天然および人工の着色料を採用しており、市場の消費者の嗜好や地域の規制、調達状況などにより異なる材料・製品が存在するものの、全ての材料は安全であり、製造にあたっては同社の厳格な品質・安全性基準に加えて米食品医薬品局(FDA)や欧州食品安全機関(EFSA)など世界の規制当局の基準も満たしているとしている。
食品の安全性や原材料の透明性に対する消費者の要求は世界中で日に日に高まりを見せる中、食品メーカーは消費者から愛される持続可能なブランドであり続けるために、法規制や実質的な安全性を超えたさらなる自主的な努力が求められている。
【参照リリース】Mars, Incorporated to remove all artificial colors from its human food portfolio
【企業サイト】Mars, Incorporated
(※写真提供:Leena Robinson / Shutterstock.com)
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