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【中国】2022年北京冬季五輪、「グリーン五輪」構想に向けて緑化事業推進

Zhangjiakou

 2022年の北京冬季オリンピック開催に向けて、国家林業局の張建龍局長は2月3日と4日の2日間、開催地のひとつである河北省張家口市を訪れ、緑化事業の視察を実施した。張氏は、昨年11月に習近平国家主席が打ち出した「グリーンオリンピック」構想を引用、同地での造林プロジェクトを加速させる考えを強調した。

 張家口市は、北京市の北西部に位置する山岳地帯で、冬季オリンピックではスキージャンプやスノボードの会場となる。全市総面積の3.7万平方キロメートル。市域内には国家級自然保護区が3ヶ所、国家級森林公園が2ヶ所、国家級湿原公園が5ヶ所あり、すでに大型スキー場も数多く整備されている。中国政府はここ数年北京市・天津市・河北省地域の造林計画を推進してきており、張家口市の森林率も2000年の20%から大幅に増加し現在は37.5%、さらにオリンピックが開催される2022年までに50%に到達させるという目標を掲げている。しかしながら、森林地帯での会場設営に際し、生態学者などからは生態系の破壊を懸念する声も上がっており、国家林業局もその対応の一環として今回の視察へと繋がった形だ。

 習近平国家主席が掲げたグリーンオリンピック構想には、358の環境プロジェクトの実行と中国国民の環境意識の醸成という2つの側面を持つ。特に北京市・天津市・河北省地域は中国でも最も大気汚染が深刻な地域で、地域の持続可能な発展のためにも緑化事業は欠かせない。大気汚染の分野では、政府はすでに2018年から2022年にかけてクリーン空気行動計画を制定。そして緑化に関しては、グリーンオリンピック構想において、中国で「三北」と呼ばれる東北・西北・華北3地域からなる中国北部で、これまですでに実施されてきている防風林などの保安林植林事業、農地を森林に還す事業(退耕還林)、衰退した森林の再生事業(退化林分改造)をさらに推進させ考えだ。

 中国政府はこれらの緑化事業に大規模な予算を費やしているが、それでもまだ資金が足りないという。特に森林再生においては、森林が長い時間をかけて衰退し自ら再生する力を失った状態からの回復となるため、既存の森林の伐採や根の掘り返しを実施した後にようやく植林ができるという大規模プロジェクトとなるため長期の計画が必要となる。オリンピック開催地整備という特需の中で、どこまで果たした緑化が進むのか国家林業局だけでなく、地域社会や企業も現地に目を光らせることが重要となりそうだ。

【参照URL】林业局:加快造林绿化步伐 为冬奥会创造良好生态条件
【参照URL】绿色举办2022年冬奥会 环境在“治”更在“防”
【参照URL】科學穩妥有序推進退化林分改造 促進三北工程建設持續健康發展

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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