持続可能なパーム油に関する国際認証のRSPO(Roundtable on Sustainable Palm Oil:持続可能なパーム油のための円卓会議)は12月18日、インドネシアなど東南アジアを中心に年々深刻化している土地の荒廃および森林火災への対策、RSPO認証の監査の質向上、RSPO会員企業による「原則と基準」の遵守強化などを目的として、RSPO会員企業のパーム油土地利用権マップを公表すると発表した。
もともとRSPOでは2013年11月に開催した総会の中で、会員企業に対して全てのパーム油土地利用権に関するマップの提出を求める決議を行っていたが、特にパーム油による森林破壊が深刻化しているインドネシアとマレーシアでは、法的理由により実施が見送られていた。
その後もRSPOはインドネシアおよびマレーシアの主要なステークホルダーらと議論を重ねた結果、未だにマレーシアについては適法性に曖昧さがあるため除外されているものの、インドネシアを含む残りの全世界においては会員企業のパーム油土地利用権に関するデジタルマップの公表を実現するにいたった。マップは今年の第二四半期にGlobal Forest Watch platformにて公表される予定だ。なお、今回のマップはRSPO認証の有無に関わらず、マレーシアを除く全ての国における土地利用権が対象になる。
近年東南アジアでは毎年森林火災が発生しており、原生林や泥炭地、生物多様性に多大な損害が生じている。RSPOでは一部の例外(害虫および病害の発生リスクを最小限に抑えるための最も効果的かつ環境破壊が少ない選択肢と判断された場合)を除き、認証済パーム油農園における火の使用を許可しておらず、これまでは火災の監視や火災が危惧される場合の報告について、森林の状況をほぼリアルタイムで把握できるプラットフォーム、 Global Forest Watch platformを活用してきた。
しかし、これまでの方法では火災発生箇所についてのデータが不正確で、RSPOが責任の所在を突き止め、対処するのが難しいのが現状だった。今回の取り組みによりRSPO会員がマップデータを開示することで、より正確な問題発生状況と責任の把握が進むことが期待されている。
【参照リリース】Palm oil concession maps of RSPO members to become publicly available
【団体サイト】RSPO
【参考サイト】Global Forest Watch platform
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