フランス食品大手のダノンとBコーポレーション認証で知られる米国の非営利団体B Labは12月17日、上場企業や多国籍企業など大手企業によるBコーポレーション認証取得の拡大を目的として、オープンソース型の提携合意を締結したと発表した。
「Bコーポレーション」は、B Labが運営している認証制度で、環境、社会に配慮した事業活動を行っており、アカウンタビリティや透明性などB Labの掲げる基準を満たした企業に対して与えられる民間認証だ。B Labから認証を受けた企業は晴れてCertified B Corporation(認定Bコーポレーション)として活動することができるようになる。株主だけではなく社会や環境など幅広いステークホルダーの利益最大化を目的とする新たな企業の形として注目を浴びており、2016年1月時点で世界約1,500社が認定Bコーポレーションとなっている。(※参考「B Corporation(Bコーポレーション)とは?」)
認証を取得している代表的な企業としてはアウトドア・アパレル大手のパタゴニアや、アイスクリームのベン&ジェリーズ、ハンドメイド商品の通販を手がけるエスティなどが挙げられるが、これまでBコーポレーション認証の取得は主に中小企業が中心となっていた。
今後、ダノンはB Labと提携して大企業がBコーポレーション認証を取得する際のモデルケースを開発し、その知見を世界中に共有する。B Labが大企業と提携して同様の取り組みを行うのは今回が始めてとなる。
具体的には、ダノンは2001年に開始したサステナビリティ測定プログラム「ダノンウェイ」から得た教訓をB Labに共有するほか、B Labとともに現行のBコーポレーション認証テストの通過に向けて、多種多様な規模、事業を展開するダノン子会社10社の共同選抜を実施する。この結果は事業慣行の改善やB Impact Assessment(B Labが認証にあたり実施しているインパクト評価手法)の改善に役立てられる予定だ。
さらに、ダノンはB Lab内の委員会、Multinationals and Public Markets Advisory Council(MPMAC)により開発される多国籍企業向け新ルールのβ版テスト運用のパートナーとなり、今後B Labがヨーロッパで実施する認証業務の法的支援も行う。なお、今回の提携に伴い、B Labヨーロッパ支部はダノンのエグゼクティブ・ディレクターを務めるLorna Davis氏を常任委員に指名する予定だ。
Bコーポレーション認証の取得は世界中で進んでいるものの、多国籍企業はその規模の大きさや複雑性ゆえ、事業および法律面の双方から認証取得が困難となっていた。今回のダノンとB Labの提携により多国籍企業向けの認証フレームワークが固まり、大企業においてもBコーポレーション認証の取得が広がれば、新たな一つの大きな流れが出来あがる可能性もある。今後の提携の成果に期待したい。
【参考記事】B Corporation(Bコーポレーション)とは?
【参照リリース】Danone and B Lab announce a partnership to pave the way for B Corp certification of multinational companies
【企業サイト】Danone
【団体サイト】B Corporation
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