ESGリスクに関する学術的研究が多くの研究機関で本格化することになりそうだ。ESGリスク分析・情報提供大手のRepRisk社は10月20日、ペンシルベニア大学ウォートンスクールのウォートン・リサーチ・データ・サービス(WRDS)に同社のESGリスクに関するデータ提供を開始すると発表した。
WRDSは世界の研究機関向けに企業の情報や財務分析データ、最新の学術研究成果などを提供しているデータベースプラットフォームで、現在33カ国で30,000名以上が利用している。世界中の大学がWRDSのデータを利用して社会にインパクトをもたらす研究や教育の質向上に取り組んでいる。
ESGリスクに関するデータをWRDSに提供するのはRepRiskが初めてとなり、今後は信用リスクや投資分析、サプライチェーン、ベンチマークなど幅広い分野の学術研究において同データが活用されることが期待されている。
RepRiskで事業開発・マーケティング責任者を務めるAlexandra Mihailescu Cichon氏は「我々は、WRDSと協働して、ESGリスクに関するデータを学術研究者へ提供できることを嬉しく思う。RepRiskのデータは既に賞を獲得したような学術研究においても利用されている。今回の提携を通じ、我々は世界中の学術研究機関においてESGリスクに関する革新的な研究が行われることを望んでいる」と語った。
投資家や企業らのESG情報に対する需要や関心は年々高まりつつあり、情報量も飛躍的に増加している中で、今後はそれらのデータを活用した体系的な分析や研究が求められている。今回のように産学が連携することは情報の信頼性向上や新たな知見の創出につながり、社会にとっても大きなプラスとなる。今回の提携をきっかけに、今後学術分野においてもESGに関する研究が更に進展することを期待したい。
【参照リリース】RepRisk risk data now available to academic institutions across the world
【企業サイト】RepRisk
【参考サイト】Wharton Research Data Services
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