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【アジア】南アジア地域の「極度の貧困」は人口の13.5%まで減少。世銀見通し

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 世界銀行は(以下、世銀)10月15日、南アジア地域において極度の貧困の中で暮らす人々の数が、2015年には同地域の人口の13.5%まで低下したとの推測を公表した。この最新データは10月17日の「貧困撲滅のための国際デー」を前に発表されたもので、世銀によると、2015年の世界全体における極度の貧困者は9.6%に減少する見通しだ。世銀は2030年までに極度の貧困を撲滅するという目標達成に向けて取り組んでいる。

 世銀の南アジア地域担当副総裁を務めるAnnette Dixon氏は「南アジアの国々の力強い成長とレジリアンスによる貧困削減が大幅に進展している一方で、この地域には非常に多くの貧困者が存在している。世界中全ての国において、仕事が貧困から脱出する主要な手段だ。活力ある都市化、そして民間セクターの発展が雇用創出をいち早く後押しする。平等な教育やヘルスケアへのアクセス、社会保護に対する資金の投入が、より質の高い仕事へと繋がっていく」と述べている。

 世銀は各国の生活費の差異に関する最新状況を踏まえ、国際的な「極度の貧困」ラインを1日あたり1.9米ドルと改訂した。この新たな貧困ラインは、2005年に設定された1日あたり1.25ドルの貧困ラインと同様、途上国における実質購買力に基づくものだ。世銀はこの新ラインと国別の生活水準に関するデータを適用し、南アジアにおける極度の貧困が2012年の18.8%から2015年には13.5%に減少したと推定している。

 今回更新された国際貧困ラインおよび貧困率は世界各国の最新の物価データに基づくもので、貧困ラインが減少した地域だけでなく、世界中の食糧、衣類、住宅などの最低限のニーズに関するコストが反映されている。

 しかし、この国際基準は貧困者や社会的弱者をよりしっかりと把握するための数多くある重要指標の一つに過ぎず、世銀は貧困撲滅キャンペーンの一環として更にデータの質を向上するべく、世界中の最貧国におけるデータ収集を拡大する取り組みを開始する予定だ。

 世銀南アジア地域チーフエコノミストのMartin Rama氏は「南アジアの国々は短・中期において経済を加速する可能性があり、その状況が貧困削減の継続に繋がるだろう。しかし同時に格差も拡大するかもしれない。特に最下層、40%の人々に対する取り組みが必要だ」と語る。

 今年の9月にニューヨークで採択された2030年までのSDGs(持続可能な開発目標)においても「貧困の撲滅」は1つ目のアジェンダとして設定されている。世界の中でも特に貧困層が多い南アジア地域における貧困率の低下は、世界全体の貧困率低下においても大きな影響を及ぼす。貧困撲滅のためには経済成長とそれによる雇用の創出が不可欠だ。世銀をはじめとする金融セクターと企業らが連携し、いかに同地域において新たなインフラや事業の創出ができるのか、今後の更なる取り組みが求められる。

【参照リリース】South Asia Extreme Poverty Falls, but Challenges Remain
【機関サイト】World Bank

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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