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【アメリカ】ダイバーシティは販売成績を向上させる。テキサス大学調査

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 多様性は業績に好影響を与えるのか、それともその逆か?長らく議論されてきた多様性が組織にもたらす影響について、新たに興味深い研究結果が公表された。米テキサス大学ダラス校Naveen Jindal School of Managementの研究によると、店舗の従業員の多様性と、その店舗がある地域コミュニティの多様性の組み合わせが、小売店舗の販売成績と関連していることが分かった。

 本研究は同大学で組織戦略・国際マネジメントの准教授を務めるOrlando Richard氏が主導したものだ。同氏は多様性に関する二つの異なる見解を統合する研究を実施した。一つは社会アイデンティティ理論に基づく見解で、多様性がある職場ではお互いのことを理解するのが難しく、販売成績は悪化するというものだ。もう一方の見解は、多様性は店舗の生産性を高め、販売成績を向上させるというものだ。

 Richard氏らは米国中西部および西部に200以上の店舗を持つ大手小売企業を対象に、各店舗の販売成績および店舗がある地域の人口動態統計情報を収集し、多様性と販売成績の関係性を調査した。調査の結果、従業員間の人種の多様性は販売成績に好影響を与え、さらに地域コミュニティの多様性も高い場合、その影響はさらに大きくなることが分かった。ここでは、組織の中の多様性が店舗の生産性と問題解決能力を高め、かつ、従業員は顧客に対して共感を抱くことができるという、二つの要素が重なることで最高の成績を達成していた。

 一方で、多様な地域コミュニティにある店舗で従業員の多様性がない場合、店舗の販売成績は悪かった。これは、従業員の生産性と問題解決能力が低く、さらに多様なコミュニティに対して従業員が共感を得られないという二つの要素の悪影響が合わさっているとRichard氏は分析する。

 同研究から分かることは、企業の採用担当者らは組織の多様性を考える際に、自社内だけではなく自社が置かれているコミュニティや環境の多様性についても考慮するべきだということだ。多様なコミュニティにおいて販売成績を上げるためには、それに対応した組織の多様性が必要であり、ただ単に多様であればよいということではない。

 今回は米国の一部地域における調査だが、グローバルに事業を展開する企業にとっても課題は同様だ。世界中の多様な文化、人種、コミュニティに対応した事業展開を行う上で組織の多様性はもはや必須条件となりつつあり、企業は地域に対応した多様な組織づくりが求められている。

【レポートダウンロード】The Impact of Store-Unit–Community Racial Diversity Congruence on Store-Unit Sales Performance
【参考サイト】Research Shows Diversity Can Improve Stores' Sales Performance
【団体サイト】The University of Texas at Dallas

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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