米IT大手のデルは9月28日、循環型経済の実現に向けた同社の取り組みの進展状況を公表した。具体的には、業界初となるクローズド・ループの再生プラスチックサプライチェーンの拡大や再生炭素繊維を用いた素材の導入、グローバルにおける循環型事業の強化に向けた新たな協働体制などが含まれる。
同社はサプライヤーのSABICと協働し、余分な炭素繊維を再生利用して新たな製品を作るという業界初の取り組みを2015年の後半から進めてきた。当初は同社のパソコンシリーズ、LatitudeとAlienwareの一部で再生炭素繊維の導入を開始し、2016年には同2つの製品シリーズ全体へと導入する予定だという。デルは、この取り組みにより今まで埋め立て廃棄していた82万ポンドもの炭素繊維を再生できるほか、再生炭素繊維マテリアルのカーボンフットプリントは未使用のものを使用した場合に比べ約11%減少するとしている。
また、同社は2014年1月からクローズド・ループのプラスチックサプライチェーン構築に取り組み始め、これまでに420万ポンドのプラスチックを再生し、新製品に使用してきた。これらのプラスチックは30種以上のフラット・パネルモニターおよび3種類のDell OptiPlexデスクトップに使用されており、2016年にはサーバーやその他の製品まで拡大予定とのことだ。同社のサプライチェーンはUL Environmentから業界初かつ唯一のクローズド・ループ・サプライチェーンとして認定を受けている。
さらに、同社は循環型経済の推進に取り組む他企業との協働に向けてEllen MacArthur FoundationのCircular Economy 100プログラム(CE100)にも参画したと発表した。今後、デルはCE100の一環として他企業らと連携しながら循環型経済への移行を加速するための新たな製造方法の開発や新たな協働機会を模索していく。
循環型経済への移行は、廃棄物や天然資源への依存を減らすことによる環境保全だけでなく、経済面でも大きな利点がある。かつてダイレクト・モデルという革命的なビジネスモデルとともにIT業界を席巻したデルが、循環型経済に向けた取り組みにおいて再び業界の牽引枠となることができるのか、今後の更なる取り組みに期待したい。
【参照リリース】Dell Launches Industry First Recycled Carbon Fiber, Advances Circular Economy Model for IT Industry
【企業サイト】Dell
(※写真提供:ymgerman / Shutterstock.com)
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