ドイツに本拠を置く多国籍企業のシーメンスは9月22日、2030年までにカーボンフットプリント・ネットゼロを実現するという目標に向けて、今後3年間で製造設備や建物に約1億ユーロを投資すると発表した。達成すれば、大手工業関連企業としては世界で初となる。
同社は現在の年間約220万トンに及ぶCO2排出量を2020年までに半減させる計画を立てており、今後は建造物や製造工程におけるエネルギーマネジメントシステムや効率化システム、自動化システムなどの革新的技術に投資する。これらの取り組みにより年間2000万ユーロのエネルギーコスト削減が期待できるとしている。
シーメンスの社長兼CEOを務めるJoe Kaeser氏は「カーボンフットプリントの削減は優れた企業市民活動であるだけではなく、企業業績にもよい成果をもたらす」と語る。
長期に渡るCO2排出量削減に向け、シーメンスは現状の取り組みに加えてさらに3つの方策を実施する。エネルギーコストの最適化に向けて製造設備およびオフィスビルに分散型エネルギーシステムを導入するほか、低公害車および電気自動車を世界中で組織的に採用、さらに天然ガスや風力などクリーン・エネルギーの利用を推進する。次年度からCO2 削減プログラムを開始予定で、エネルギー効率改善に向けて約4000万ユーロを世界15地域の工場に投資するという。
また、シーメンスの取り組みは自社だけにとどまらない。同社のエネルギー効率とCO2削減に関わる技術を結集した環境関連ソリューションは、2014年度には会社全体の売上の46%を占める330億ユーロを生み出しており、同社のソリューションを導入した顧客はドイツ全体のCO2総排出量の半分に匹敵する年間4億2800万トンに及ぶCO2排出量削減を実現しているとのことだ。ドイツの産業界を代表するコングロマリットの大きな挑戦に引き続き期待がかかる。
【参照リリース】Siemens To Be Climate Neutral by 2030
【企業サイト】Siemens
(※写真提供:Nessluop / Shutterstock.com)
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