米国のサステナビリティ会計基準を提供しているSustainability Accounting Standards Board(以下、SASB) は9月23日、Consumption II(消費財II)セクターに所属する8つの業界に向けた暫定基準を公表した。
消費財セクターは業界数が多いため、SASBは同セクターを2つのカテゴリーに分類し、今年6月には消費財 Iセクターに属する業界に向けた暫定基準を公表している(参考記事:【アメリカ】SASB、消費財セクター向けの暫定サステナビリティ会計基準を公表 )。今回新たに暫定基準が公表された8業界は下記の通り。
- Apparel, Accessories & Footwear(アパレル、アクセサリー・フットウェア)
- Appliance Manufacturing(電化製品)
- Building Products & Furnishings(建築製品・家具)
- Drug Retailers & Convenience Stores(ドラッグストア、コンビニエンスストア)
- E-Commerce(通信販売)
- Food Retailers & Distributors(食品小売・流通)
- Multiline and Specialty Retailers & Distributors(複合種目・特殊小売・流通)
- Toys & Sporting Goods(玩具、スポーツ用品)
同基準は上記の業界に属する企業がマテリアリティを特定し、企業に重要な影響を及ぼす可能性があるサステナビリティ課題の管理・情報開示を支援するものだ。業界ごとにサプライチェーンの労働環境や、製品に含有される化学物質などマテリアルな項目が平均して2つずつ設定されており、76%以上の基準が定量化できるようになっている。
SASBのファウンダー兼CEOを務めるJean Rogers氏は「消費財に携わる業界の多くにおいて薄利、競争志向の価格設定を特徴とすることから経営効率とコスト削減が重要になってくる。また、一般消費者向けの業界である以上、ブランドに傷がつくような労使紛争はあってはならない。我々の定めた基準によりこのような課題を特定し、適切に対処できる」と語る。
SASBは基準策定にあたりエビデンスとコンセンサスに基づくプロセスをとっており、消費財セクターのワーキンググループには合計の時価総額3630億米ドルに相当する223の上場企業、運用資産9.2兆米ドルに相当する資産運用会社らが参加している。SASBの基準は発行から少なくとも1年間が暫定期間となり、その間にフィードバックを受け付けている。
【参照リリース】SASB Issues Provisional Sustainability Accounting Standards for Consumption Sector
【団体サイト】Sustainability Accounting Standards Board
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