ネイチャーバレー、ハーゲンダッツなどで知られる米大手食品企業のゼネラルミルズは8月30日、今後10年間でバリューチェーン全体における温室効果ガスの絶対排出量を28%削減すると発表した。この目標は科学的根拠に基づく方法論を適用して設定したもので、地球全体の温度上昇抑制のために科学的に必要とされる削減量を基に目標値を設定したという。
同社は2050年までに温室効果ガス排出を科学的合意に沿った持続可能な排出レベルまで削減することを長期の目標に置いている。具体的には、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)が設定した2050年までに50~70%の絶対排出量の削減という数値が前提となっている。
ゼネラルミルズの温室効果ガス排出削減に向けた取り組みは2005年から始まった。まずは自社の事業自体から出る直接排出量の削減に取り組み始め、エネルギー設備の効率化や低炭素エネルギーへの転換などにより。過去10年間で直接排出量を13%削減することに成功した。
しかし、同社の総排出量の3分の2は農業や原料調達、パッケージなど直接的な事業の外側で発生しており、バリューチェーン全体における排出量を削減するためには農家、サプライヤー、顧客が一体となった協働が必要となる。
そこで、ゼネラルミルズは2013年には「2020年までに10の主要な原材料については100%持続可能な形で調達する」というコミットメントを掲げた。これらの原材料は同社が調達している原材料の50%を占めており、バリューチェーン全体における環境フットプリントに多大な影響を及ぼす。また、同社はこのコミットメントの一環としてサプライヤーや農家と密接に協働し、より気候変動にレジリエントな農業の実現に向け、温室効果ガス排出削減や水管理、土壌管理など幅広く持続可能な農業慣行の推進に取り組んでいる。
さらに、同社は今後10年間でエネルギー効率化およびクリーンエネルギーに1億米ドル以上の投資、製品・パッケージの改善による消費者の環境フットプリント削減などにも取り組んでいくとのことだ。
ゼネラルミルズのように、最近では温室効果ガス排出削減の目標設定に科学的な根拠を用いるケースが増えてきている。国際的に合意された科学的な数値をベースとすることで、なぜその目標を達成すべきなのかという活動の意義もより明確になり、ステークホルダーと協働する際にも有効だ。
【参照リリース】General Mills announces new commitment on climate change
【企業サイト】General Mills
【参考サイト】General Mills Climate Commitment
(※写真提供:Ken Wolter / Shutterstock.com)
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