FAO(The Food and Agriculture Organization of the United Nations、国際連合食糧農業機関)と大手カード会社マスターカードは9月2日、飢餓に苦しむ人々のために協働で尽力する方針を発表した。両者は、小規模農家や不遇の環境にある家庭を支援するため、インクルーシブな支払方法を開発し展開できるよう、今後模索していく点で合意した。
今後の活動として想定されるのは、現地の人々にクレジットや現金を供給し、日用品の代金や農作業収入等を地域市場で決済できるような仕組みの検討である。これにより地域経済を支え、小規模な地域コミュニティにも金融の概念を取り入れることが期待されている。
両者が連携して最初に取り組む計画は、ケニヤの難民キャンプKakumaと予定されている。Kakumaは、戦禍や近隣国の紛争・衝突を恐れ避難してきた17万人が居住する地域である。取り組みによって、キャンプの住戸にはプリベイドカードが配布され、地域内で製造されてサステナビリティの観点からも平和的観点からも好ましい木炭を購入することが可能となる。この計画は、Turkanaのキャンプにおける住民の収入増加、集落・民族間の緊張緩和、環境改善を目指すものである。
マスターカードは、専門的知識や技術を駆使しファイナンシャル面での貢献を計画している。具体的には、元々の住民1,240世帯に高品質の木炭製造炉を、難民7,000世帯にはエネルギー効率に優れたストーブを、また年間の木炭のニーズに応じ25%のクレジットを提供するビジネスチェーンを構築予定である。
この例が示す通り、マスターカードは、支払・決済方法に関する技術面で、今後、飢餓地域の支えとなることができる。一方FAOは飢餓地域におけるこれまでの取り組みや解決方法の蓄積、世界的な行動範囲の広さについて定評がある。2つの組織の各々の強みが両輪となり、巧く嚙み合い機能していくことが期待される。
【参照リリース】RSE.- La FAO y MasterCard anuncian un acuerdo para impulsar la ayuda al desarrollo
【団体サイト】Mastercard
【参考サイト】FAO y MasterCard crearán un sistema de pagos "inclusivos" para la ayuda al desarrollo y la lucha contra el hambre
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