※2016年最新版は【国際】フォーチュンのCSV観点企業ランキング「Change the World 2016」公表、日本企業2社ランクインを御覧ください。
「フォーチュン500」、「フォーチュン・グローバル500」などで知られる米ビジネス誌のフォーチュン誌は8月20日、初めての試みとして事業を通じて社会に変革をもたらしている企業トップ50社を格付した新たなランキング、「Change the World 2015」を公表した。
同ランキングは自社の事業戦略の中核に主要な社会課題を位置づけ、その解決に向けた取り組みにおいて優れた功績を挙げている企業を表彰するものだ。候補企業の選定や格付にあたっては、2011年に「CSV(共通価値創造)」の概念を提唱したことでも知られるハーバード大学のMichael Porter教授や、CSVを世界的な規模で推進しているNPOシンクタンクFSGらが監修を担当した。
初回となる2015年のランキングで1位に輝いたのは、英携帯大手ボーダフォンの合弁会社、ケニアのサファリコムだ。同社のスマートフォンを活用したバンキングシステム「M-Pesa」が、東アフリカやインドなど1700万人以上の人々に対して新たに金融サービスへのアクセスを提供した点が評価された。
2位に輝いたのはグーグルで、3位にトヨタ、4位にウォルマートと続く。トヨタはハイブリッド車のリーディングカンパニーとして自動車業界のCO2排出削減に大きく貢献した点が評価された。そのほか、トップ50社にはスターバックスやユニリーバ、イケアなど優れたサステナビリティ戦略で知られる大手企業が数多くランクインしている。トップ10社は下記のとおり。
- ボーダフォン/サファリコム(英国/ケニア)
- グーグル(米国)
- トヨタ(日本)
- ウォルマート(米国)
- エネル(イタリア)
- グラクソ・スミスクライン(英国)
- ジェイン・イリゲーション(インド)
- シスコ・システムズ(米国)
- ノバルティス(スイス)
- フェイスブック(米国)
今回の「Change the World 2015」の発表にあたり、フォーチュンは同社のウェブサイト上で「資本主義」の質的な変化について解説している。同誌は「過去20年間は、中国の指導者らが平等という衣を脱ぎ捨てて自由市場を認めたことにより10億人が貧困から脱するなど、人類の歴史上において資本主義の恩恵が最も際立っていた」としつつ、グローバル化やテクノロジーの進展が貧富の格差を広げている現状や2008年の金融危機の事例などを挙げながら、「賢い経営者は、従来の資本主義とは異なる大きな流れが進行していると感じており、その流れを無視すれば危険にさらされると認識している」と指摘する。
また、同誌は社会的関心の高い消費者や理想を求める従業員、そして懐疑的な市民に突き動かされる形で企業は社会課題を是正する資本主義の力を示す新たな方法を模索しているとしたうえで、従来の資本主義のあり方を修正する必要性を強調している。また、政府の力が弱体化しつつある現状において、資本主義の力がかつてないほどに必要になっていると指摘している。
今回の「Change the World List」は、このような認識のもとに作成されたものだ。経営戦略の一部として社会課題に立ち向かい、課題解決に向けた重要な進展に寄与した企業の実績を評価するというのが格付の主旨だ。ランキングリストでは各社の具体的な取り組み事例も掲載されているので、興味がある方はぜひ下記から確認していただきたい。
【参考サイト】Change the World list
【参照リリース】Introducing Fortune's Change the World list: Companies that are doing well by doing good
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